葬儀に一番費用をかけている都道府県は?
お金のトラブルに発展することも多い葬儀ですが、その風習は地域によって異なります。たとえば火葬の順番。大きく、葬儀の前に火葬を済ませ、葬儀は故人の遺骨を前に行う「前火葬」と、葬儀を終えてから火葬を行う「後火葬」があります。北海道や東北の一部の地域では前火葬が主流といわれています。
また、よく話題にあがるのが、香典にまつわるもの。おおよその相場やマナーは全国的に画一的ですが、地域差が感じられるのが香典を渡した後。「北海道では領収書が出る」という話が、おもしろおかしくネタになることも。これは合理性を優先する、北海道ならではの風習といわれています。
香典は、一般常識に照らして妥当とされる金額であれば経費に計上でき、勘定科目は渡した相手によって交際費や福利厚生費などになります。葬儀の際に受け取る会葬礼状に、香典の金額や相手方の名前、年月日などをメモしておくと、香典を渡した証明にすることができるといいますが、どんなに領収書がなくてもいいといっても、経費計上するのは……と不安になるでしょう。やはり領収書があれば……。北海道の葬儀がうらやましくなることでしょう。
葬儀代、そのものにも地域差があります。前出の経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」(平成30年)で、該当事業所年間総売上と年間葬儀取扱件数から、都道府県別に葬儀1件あたりの費用をみていきましょう。
葬儀費用の全国平均は113万2616円。平均を上回るのは20の地域。そのうち最も葬儀費用が高いのが「栃木県」で、1件あたり167万482万円。続いて「長野県」で152万6158円。「山梨県」150万5160円、「福島県」146万432円、「滋賀県」143万3279円と続きます(図表1)。
一方で最も葬儀費用が少ないのが「青森県」で60万1371円。トップの「栃木県」と比べて、100万円以上のが差が生じています。続いて「沖縄県」で64万7370円。「鹿児島県」82万2821円、「山口県」82万4169円、「岐阜県」88万3615円と続きます。
また総務省統計局の「家計調査」(2019年度)で、県庁所在地ごとに「葬儀関係費」をみていくと、家計のなかで葬儀関係費が多く占めるのが「富山市」で52975円。「甲府市」3万9955円、「盛岡市」3万3911円、「秋田市」3万829円、「松江市」3万523円と続きます。一方で家計のなかで「葬儀関係費」が少ないのが「仙台市」で256円。「札幌市」「神戸市」「大分市」「鹿児島市」と続きます(図表2)。
故人の冥福を祈り、この世からあの世への引導を渡す葬儀式。地域によって費用に違いはあるものの、故人のためにもお金で揉めないようにしたいものです。
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