「会社員だけど富裕層になる」は可能か?
戦後、高度成長期までは、働いて働いて富を築いて富裕層の仲間入り……そんな人もいたことでしょう。しかし、2021年、そんなことが可能なのでしょうか。
厚生労働省の「令和元年 賃金構造基本統計」によると、正社員・正職員の平均賃金は32万5400円。20代で24万9500円だった賃金は、50~54歳で39万8600円に達します。しかし一般企業で働きながら「いつかは富裕層」を目指すのは現実的はないことはわかるでしょう。残されているのは、金持ちの親からの相続で富裕層の仲間入りを果たすか、一か八か、投資に望みを委ねるか……努力だけではどうにもならない方法にのるしかないのかもしれません。
とはいえ給与所得なわけですから、会社勤めのどこかにいるわけです。それはどこなのでしょうか。前出の国税庁「統計年報」から紐解いていきます。
まず「正社員・正職員」か「非正規雇用」で比較してみると、「正社員・正職員」で給与所得2000万円超は4万9721人。それに対し「非正規雇用」は1254人。その差、約40倍。給与所得2000万円以上を目指すのであれば、「正社員・正職員」が近道といえそうです。
次に正社員・正職員に限定し、かつ会社の資本金階級別(資本金2000万円未満、2000万~5000万円未満、5000万~1億円未満、1億~10億円未満、10億円以上)に見ていきましょう。最も2000万円プレイヤーが多いのが「資本金10億円以上」の企業で3万4240人で、このクラスの企業に勤めている人の0.51%。「資本金1億~10億円満」が8141人で0.18%、「資本金5000万~1億円未満」が1567人で0.04%、「資本金2000万~5000万円未満」が1194人で0.03%、「資本金2000万未満」が4579人で0.08%と続きます(図表2)。
資本金10億円以上の大企業では働いている一般社員の200人に1人が2000万円プレイヤーですが、中小企業になると一般社員が1000人いても2000万円プレイヤーには出会えない、という水準です。
さらに役員クラスの2000万円プレイヤーを、先ほどと同じく資本金階級別に見ていきます。役員で2000万円超が最も多いのが「資本金10億円以上」で2万6984人。同企業の役員の24.3%、4人に1人は給与所得2000万円超となります。
続くのが「資本金1億~10億円未満」で役員の13.2%。「資本金5000万~1億円未満」では役員の10.2%、「資本金2000万~5000万円未満」では5.4%、「資本金2000万円未満」では2.5%。「資本金10億円以上」の企業と「資本金2000万円未満」の企業とでは10倍程度の開きがあります(図表3)。
こうして見ていくと、一般の会社員が会社員のままで富裕層を目指すのであれば、「とにかく大きな会社でトップを目指す」というのが近道だといえるでしょう。
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