【アジア太平洋地域のM&A】2020年の動向&2021年の見通し

昨年より終息の見えないコロナ禍、長引く不況、一方ではアメリカをはじめとする歴史的株高と、世界経済の動向は予断を許しません。そのような状況で企業の再編も進んでいます。ここでは、グローバルでM&Aの専門企業にクラウドサービスを提供するDatasiteが、2020年のM&Aと2021年の見通しを分析・解説します。※本記事は、Datasite日本責任者・清水洋一郎氏の書き下ろしです。

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パンデミック初期、M&A活動も「若干落ち込み」

今年の新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックは経済を前例のないほど、先の見えない状況に追いやり、それとともに人々の生活も困難な状況となっています。新型コロナウイルス感染拡大とそれにともなうロックダウンは生活とビジネスのあらゆる側面において影響を及ぼし、合併買収(M&A)業界もまた例外ではありません。

 

あらゆる経済活動と同様に、M&A活動もパンデミック初期においては若干落ち込みましたが、その数ヵ月の間に、ディールメーカーたちはいつでも取引できるよう準備をしていました。最終的に、この準備が功を奏し、すぐに健全な財務・取引回復につながり、5月には、取引数が持ち直し、続く6月にはマーケットは急激に完全な回復を遂げました。その後8月、9月、10月、11月と、Datasiteプラットフォームにおける新規プロジェクトは前年同月比でおよそ20%増を示しました。

 

2020年第2四半期(2020年4月~6月期)の日本国内におけるM&A取引(国内、インバウンド)は取引数が86件、取引金額が96億3000万米ドルでしたが、第3四半期(2020年7月~9月)には取引数107件、取引金額は574億2000万米ドルに回復しました。

 

「マージャーマーケット」のデータによると、2019年には取引数474件、取引金額678億米ドルだった日本の国内およびインバウンドのM&A取引は、今年は2020年12月14日時点で、取引数392件、取引金額991億1000万米ドルとなっています。一方、日本の今年のアウトバウンドM&Aは取引数179件、取引金額341億1000万米ドルで、昨年の取引数348件、取引金額959億7000万米ドルに比べて、件数・金額ともに減少しています。

 

新型コロナウイルスは私たちの働き方・取引方法にも大きな影響を与えました。対面のリアルな会議に代わりオンライン会議が活用されるようになり、ディールメーカーの出張の機会は減少していくでしょう。しかし一方で、パンデミックを経て、新しい関係を築く、新たなビジネスマーケットに参入するなどの場合には、顔を合わせたリアルな会議が不可欠であることも分かりました。

 

新型コロナウイルス感染拡大により、場所にとらわれずにM&Aのプロセスを有効かつ効率的に進めるためのツール、例えばテレワークのためのツールなどへのニーズが明らかになりました。このトレンドを反映するような最近の買収例がいくつかあります。SalesforceはコミュニケーションツールのSlackを280億ドル近く出して買う意志を示しており、CiscoはオーディエンスインタラクションシステムのSlidoの買収、Facebookは10億ドルで顧客管理システム(CRM)のスタートアップKustomerを買収予定と発表しています。

 

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Datasite  日本責任者

米国で金融、IT、自動車、製造業のマーケティング担当を経て、国内大手IT会社やSIerで金融ITソリューションなどの営業・マネジメントに20年以上従事。

カントリーリスク管理やマクロ経済学の知識を生かし、様々な国内外資系企業のコンサルティングを経験。

現在、Datasite日本法人の代表として、日本市場における事業開発や事業拡大を統括している。

著者紹介

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