2020年12月の水関連株式市場

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社マーケット情報。専門家が明快に分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

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12月の投資環境

12月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。世界の株式市場は、月初から新型コロナウイルスワクチンの認可・接種が進展する中、11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が良好だったことや、米国の追加経済対策への期待などから上昇基調となりました。

 

さらに米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で米国の緩和的な金融政策の継続が表明されたことも株価の上昇要因となりました。

 

その後、新型コロナの変異ウイルスによる感染ペース拡大への懸念で一時、下落しましたが、英国と欧州連合(EU)が通商協議で合意に至ったことや2021年の景気回復期待などを背景に月末にかけて上昇し、月間でも上昇しました。

 

業種別では、情報技術、一般消費財・サービス、素材などの上昇率が大きくなりました。一方、エネルギーと公益は下落しました。

 

水関連企業(現地通貨ベース)の株価は株式市場が上昇するなか、相対的に小幅な上昇となりました。消費者向けや自治体インフラ関連銘柄が相対的に大きく上昇した装置製造・エンジニアリングセクターが最も好調で、上下水道ビジネスセクターも堅調に推移しました。一方で、環境マネジメントセクターは相対的に軟調な展開となりました。

 

円換算ベース、月次、期間:2010年12月末~2020年12月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース) 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2010年12月末~2020年12月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

装置製造・エンジニアリングセクターでは、ハイアール・スマート・ホームについて、ハイアール・エレクトロニクスの民営化・統合に伴い、上海市場に続き香港株式市場に重複上場したことを受け、企業統治の改善や家庭全体の水質ソリューションに注力する等、長期的な戦略をより促進する資本配分やシナジー効果が期待され、上昇しました。

 

また、アドバンスト・ドレナージ・システムズについて、金属製の水道管からより寿命が長く、安価なプラスチック製のものへの移行の流れが加速していることから、同社が恩恵を受けるとの予想が好感され、株価が上昇しました。一方で、コロナウイルス感染拡大に伴う需要拡大に支えられ、年初来好調に推移していたモニタリング関連銘柄は利益確定売りの煽りを受け、株価が軟調な展開となりました。

 

上下水道ビジネスセクターでは、ヴェオリア・エンバイロメントに関して、スエズの買収に対する期待感や廃棄物管理事業が回復基調にあること等が好感され、株価が上昇しました。また、カントン・インベストメントについて、水道料金の見直しにおいて、規制当局が容認する収益水準の上下限が予想を上回ったことが好感され、株価が上昇しました。

 

環境マネジメントセクターでは、年初来、好調に推移していた廃棄物処理関連の数社が、企業買収のプロセスにあり、企業統合のプロセスやシナジー効果の実現等に対する不透明感が懸念されたこと等を背景に、株価が軟調な展開となりました。加えて買収が依然、米国公正取引委員会(FTC)等の規制機関による承認を受けていないため、買収計画が頓挫する可能性も懸念要因となっています。また、バイデン新大統領就任に伴う税制改革(法人税の増税)のリスクが嫌気されたことも、株価が軟調に推移した要因となりました。

 

月次、期間:2010年12月末~2020年12月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 ※2020年10月より構成銘柄が一部変更になっています。 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2010年12月末~2020年12月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
※2020年10月より構成銘柄が一部変更になっています。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

今後の見通し

2021年においても、現在、市場を取り巻いているマクロ経済や地政学的リスクに関する不透明感が継続する見込みです。新型コロナウイルスの感染拡大次第で金融・財政政策などが影響を受け、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、失業率や世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。一方、世界的なワクチン接種の拡大への期待が楽観的な見通しを支えています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連株式は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

 

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年12月の水関連株式市場』を参照)。

 

(2021年1月15日)

 

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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