新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の再発例は、人々の暮らしに多大な影響を及ぼしています。今回は、世田谷用賀法律事務所の代表者、弁護士の水谷江利氏が、緊急事態宣言 を受けて、月内の利用を見合わせた場合、「子どもの塾や習いごと」の月謝はどうなるのか解説します。

緊急事態宣言で、「塾や習いごと」の月謝はどうなる?

新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、1月8日(金)から一都三県に緊急事態宣言が発令されました。

 

今回は

①午後8時以降の不要不急の外出の自粛の徹底

②飲食店、バー、カラオケなどの営業時間を午後8時までとすること

③出勤者の7割削減(テレワーク推奨) ④イベントの開催、施設利用の制限(収容率50%)とする

 

などが主な内容です。

 

緊急事態宣言を受けて、月内の利用を見合わせた場合、「子どもの塾や習いごと」の月謝はどうなるのでしょうか?

 

月謝はどうなる?(画像はイメージです/PIXTA)
月謝はどうなる?(画像はイメージです/PIXTA)

子供の塾や習いごと…月謝の「2つの要素」とは?

改めて考えると、月謝には2つの要素があります。

 

①その習いごとや塾に在籍し生徒として管理されることで発生する「登録管理料」としての部分。

②実際のレッスンや授業の対価としての部分。

 

前者は、レッスン・授業を休んだ場合にも発生するので、この部分の負担は免れません。
では後者はというと、サービスの対価を受けていないので、支払いの義務がなくなるのではないでしょうか。

レッスン・授業の提供は果たして「履行不能」なの?

もし政府が、塾や習いごとの開催を「禁止」し、実際に塾や習いごとが開いておらず、「もう行くことができない」という場合であれば、サービスの提供という対価が消滅しているので、その反対給付にあたる代金(レッスン料・授業料)の支払義務は、当然に消滅します。



今回政府は、緊急事態宣言の発令先となった一都三県に対しても、学校などを原則開校とし、塾や習いごとについても特段の配慮を要請しているわけではないので、あくまで利用しないというのはユーザー側の判断だということになります。

 

キャンセル・休会は1ヵ月前まで、という取決めがある場合は多いだろうと思いますが、この場合だと、あくまで、今月申し入れて今月から塾・習いごとを休むのでは、今月分のレッスン料は発生するということにもなりそうです。

 

次ページどこまで争うべきなのか

本連載は、「世田谷用賀法律事務所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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