コロナ禍において、人とのコミュニケーションはどうしてもインターネットに偏りがちです。ネット利用にまつわる注意喚起は子どもや高齢者へのものばかりだと思われがちですが、ネットを使いこなし、リテラシーがあるはずの大人であっても、閉塞感や不安感が満ちているこの状況下、リスクにさらされる危険は増しています。弁護士がネットを介したトラブルに警鐘を鳴らします。

ネットでの「出会い探し」は当たり前になってきたが…

かつて男女の出会いの場といえば、お見合いや合コン、結婚相談所が主流でしたが、今やインターネットでの婚活も当たり前。出会い系サイトに婚活サイト、マッチングアプリと、男女の出会いや交流の場はインターネットにあふれ、知り合った相手と恋人になったり、結婚に至る人も少なくありません。

 

その一方で、加速度的に増えているのがネット上での男女のトラブルです。例えば、出会い系サイトで知り合った相手から高額な商品を売りつけられたり、婚活サイトで運命の人と信じた相手から結婚詐欺にあったり…。なかでも最近特に目立つのは、ラインやフェイスブック、ツイッターなどのSNSのやり取りを巡るトラブルです。

 

SNSは誰でも気軽に利用できるコミュニケーションツールですが、顔も名前も素性もよくわからない相手とやりとりする場合は、それなりの注意が必要です。こちらがどんなに親しくなったと思っていても、感じ方には個人差がありますし、実際の表情は見えませんから、相手とうまく距離を取るのも容易ではありません。

 

「そんなつもりではないのに…」と思っていても、ちょっとした会話がハラスメントとして受け取られることもありますし、逆に、不用意な言動が相手の誤解を招いてストーカー問題に発展してしまうこともあります。深刻なケースでは、訴訟や事件にまで発展することもあります。相手が見えないからこそ気楽で便利である一方、見えないことが障壁となり、容易に関係がこじれてしまうリスクもあるということです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

限られた情報とコミュニケーションが生み出す「齟齬」

出会い系サイトなどで知り合った場合、相手を知るには公開されているプロフィールやSNSなどが情報源です。実際に会えば相手の表情や様子を見て判断できますが、インターネットでは公開されている情報で相手を想像するしかありません。

 

SNS上で何度かメッセージを交わしただけなのに、想像が膨らんで相手に恋愛感情を抱き、いつしか「自分のことが好きなんだ」と一方的に思い込む人もいます。なかには、相手に拒絶されても、SNSやメールなどを利用して、しつこく付きまとうことも…。こうなれば、まさにネットストーカーです。

 

2000年に施行された「ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)」では、「①つきまとい等」と「②ストーカー行為」の2つを規制の対象としています。

 

 

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本記事は、稲葉セントラル法律事務所のウェブサイトから転載したものです。

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