「急激な体重減少、急激な糖尿病の悪化、出現の時は膵がんを疑え」
そんな言葉が頭を過ります。そのつもりで診察を進めますと左腰を叩くと痛みがあります。また丹念に探ると上腹部にしこりが触れるようです。その日のうちに結果は判明しました。Mさんはやはり膵がんでした。がんのため胆汁の流れる胆管と膵液の流れる膵管が狭窄され、もうしばらくすれば誰でもが異常と気づく黄疸が出現するところでした。
同じように膵がんだった62歳のOさんも症状はただ一つ急激な体重減少でした。体重減少を何度も担当医師に訴えたにも拘わらず対応して貰えず、受診された時は既に末期の状態でした。この2人の場合は患者さん自身が体重の異常減少に気づいています。
療養病棟に入院されていた82歳のKさんは糖尿病があります。脳梗塞を繰り返しておりあまり言葉も出ません。回診していてKさんは以前に比べ痩せたように思いました。気になって検査した結果やはり肝臓に腫瘍が認められました。
体重測定は誰でもが手軽に行うことができます。体重増加に対する心痛が生じる以外測定に伴う苦痛はありません。何よりも一度体重計を購入すれば測定による費用はかかりません。でも体重の変動は健康度の指標となります。
※本記事は連載『新・健康夜咄』を再構成したものです。
髙山 哲夫
国民健康保険坂下病院名誉院長
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】