コロナ禍において資産運用の不確実性が増す中、市場に対して低ベータである「リアルアセット」に注目が集まっている。そこで本記事では、英国Sanlam Asset Management社のマルチアセットビジネスの責任者を務めるマイク・ピンゲーラ氏に、その魅力について伺った。聞き手は、ニッポン・ウェルス・リミテッド(NWB/日本ウェルス)のダイレクター幾田朋彦氏である。

「リアルアセット」の定義をどのように定めているか?

幾田    今更ではありますが、あなた方にとってのリアルアセットの定義を教えてください。

 

マイク    リアルアセットは一般的に使われる用語ですが、最も単純な定義は物的資産への投資です。私たちの関心分野は、インフラ、再生可能エネルギー、専門性の高い不動産物件です。私たちの戦略ではそれらの分野に特化した活動を行う上場企業に投資しています。より細かい事業で例を挙げると、道路、学校、家、病院、風力発電所、淡水化プラント等に関連する上場有価証券を所有しています。

 

幾田    インフラや再生可能エネルギーについては想像がつくのですが、専門性の高い不動産物件とはどのようなものを指すのでしょう?

 

マイク    ショッピングセンターやオフィス街などの一般的な物件ではなく、運営により専門的なノウハウを必要とする物件のことです。例えばですが、高齢者や障害者向けの補助付き住宅、学生寮、スーパーマーケット用の不動産(運営者ではなく、あくまで物件)、最近では物流施設やデータセンター等が含まれます。学校や病院等もコンセプトとしては似てますが、我々はここをインフラ投資として分類しています。これらはすべて社会の基本的な機能を担い、経済を支える柱の一部です。

 

幾田    投資ユニバースにはREIT(リート)も含まれますか?

 

マイク    もちろんです。私たちの運用方針に合致するものであれば有価証券の種類にこだわりはありません。こうしたリアルアセットを運営・管理する業者の中には通常の株式会社の形態を取るものもあれば、REITの形態を取るものもあります。重要なのはそれらの資産にアクセスする方法や、投資対象の姿形よりも、原資産とそれを運営・管理する経営陣の質です。

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本稿は、情報提供を目的として、インタビュー時点での経済データ等をもとに個人的な見解を述べたもので、Sanlam Asset ManagementおよびNWBとしての公式見解ではありません。また、特定の金融商品への投資の勧誘を目的とするものではありません。

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