相続の9割は「土地」が絡む…だから揉める
「相続なんて、金持ちの話でしょ」
そう思っている人は多いですが、そもそも相続は「ある人が亡くなったとき、その人の財産を引き継ぐ」ことであり、財産は金銭や不動産に限らず、権利や義務も含みます。亡くなった人が負債を抱えていて、ひと悶着……ということも珍しくありません。人が亡くなれば、何かしら相続が発生すると考えれば、誰もが関係するといっていいでしょう。
そのうえで、相続税の納税義務がある人がどれくらいいるかといえば、国税庁の統計によると、亡くなった人の10人に1人の割合。そして亡くなった人1人あたり、2~3人の相続人がいる計算です(関連記事:『遺産総額100億円超!驚愕の相続に直面した人は、全国で何人?』)。
相続人が1人であれば、揉めることはないでしょう。負債などあった場合でも、問題にはなるかもしれませんが、よく聞く、壮絶な遺産相続争いということにはならないはずです。
お金が絡む話を複数人でするわけですから、揉めるなというほうが難しいのかもしれません。
そもそも揉める原因はいろいろありますが、ひとつは遺産の内容にあります。国税庁の「相続財産種類別に見た相続税の申告状況」をみてみると、課税価格計19兆3650億460万円のうち、最も金額が大きいのが「土地」で35.1%、「現金、預貯金等」が32.2%、「有価証券」が15.5%と続きます(図表1)。
被相続人(亡くなった人)14万9613人のうち、「土地」を遺した人は13万5240人と90%を超えます。相続税が発生する相続の大部分に、何かしら「土地」が絡んでくるわけです。そして被相続人1人当たりの「土地」の価値は、5027万円ほどとなっています。
一方「現金」は被相続人1人当たり4194万円、「有価証券」は被相続人1人当たり3047万円。現金であれば、相続人の人数に合わせて分ければいいですし、有価証券も現金化すれば、相続人の人数で分けやすそうです。では土地はどうでしょうか。
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