さらに「審理回数」をみていくと、最も多いのが「5回」で38.7%、続くのが「6~10回」で23.8%、「2回」が14.4%、「3回」が12.5%と続きます。なかには「0回」というのが767回で、全体の6%。裁判所に訴えたものの、審理をせずに結論に至ったケースが意外と多くあります。一方で「21回以上」と、こじれにこじれたケースが1万2785件中270件。50件に1件は、泥仕合になっています。
また「認容・調停が成立した遺産分割事件」を「遺産金額」ごとにみていくと、総数7224件のうち、遺産額1000万円以下が2448件で全体の3割を占め、遺産額5000万円以下は3097件で全体の4割を超えています(図表4)。
こうしてみていくと、遺産が多いから揉めるわけではなく、遺産が少なくても揉めることがわかります。
「うちは貧乏家系だから、相続争いなんて無縁だね」などと余裕でいる人こそ、いざ相続が発生し、少しでもお金を前にすると豹変するのかもしれません。ぜひ相続は我が事と考えて、家族が集まる機会にでも話し合ってみてはいかがでしょうか。
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