子どもの成績や授業の理解度を上げたいと考えるのならば、身につけておくべきは「読解力」です。今回は、IQ200以上の子を複数育てた脳科学学習塾RAKUTO代表の福島美智子氏と、株式会社らくと教務部コンテンツ開発課課長・福島万莉瑛氏の共著『AI時代の小学生が身につけておきたい一生モノの「読解力」』(実務教育出版)より一部を抜粋、再編集し、国語だけでなく、算数/数学の成績向上に読解力が必要不可欠な理由を解説します。

「読解力」獲得のため、小学生のうちに鍛えたい能力

「読解力」は「語彙力+要約力」と言われています。語彙力や要約力は、子どもの頃から身につけることができます。むしろ、小学生の時期に鍛えておきたいものです。

 

「語彙力」とは、たくさんの言葉や単語を使える力のこと。最近、いいことも悪いことも「ヤバイ」と言う人が多くいます。これでは、どう「ヤバイ」のか、何が「ヤバイ」のか相手に伝わりません。違う状況でも、「ヤバイ」「マジで」など同じ言葉ばかりを使っていると、感情に鈍感になったり、状況を深く理解できなくなってしまうことも...。

 

私たちは、言葉にすることで感情や状況をより意識できるようになります。小学生の頃は、感情理解力や状況把握力を育てていく大切な時期。たくさんの言葉を知ることで、自分の言いたいことが細やかに表現できるようになり、「読解力」のアップにつながっていくのです。

「考えをまとめるクセ」をつけることが重要

「要約力」とは、考えをまとめる力のこと。

 

じつはこの要約力。中学生以降に急に磨こうとしても難しいのです。本人自身が意識して直そうとすればできますが、中学生にもなると、親やまわりの言うことを素直に聞かなくなるうえ、自分で直そうとは思わなくなってきます。

 

ぜひ、小学生の時期から、考えていることの要点をまとめて話す習慣をつけたいですね。

国語だけでなく、算数の学力も読解力と直結している

そもそも、「読解力」は国語の成績を上げるために必要なもの、と思っている人が多いのではないでしょうか。しかし実際には、「読解力」は算数や数学など一見関係がなさそうな教科の学力にも影響を与えているのです。

 

算数にも「読解力」が必要!?(画像はイメージです/PIXTA)
算数にも「読解力」が必要!?(画像はイメージです/PIXTA)

 

図表は、ベネッセ教育総合研究所による、国語と算数/数学のバランスと「読解力」の関係です。「読解力」の偏差値が高い場合は、国語と算数(数学)のどちらの成績もよく、「読解力」の偏差値が低い場合は、どちらの成績も悪くなっています。

 

[図表]国語・算数/数学のバランスと「読解力」の関係

 

「読解力」と国語・算数(数学)の成績に密接な関係があることがわかりますね。つまり、国語・算数(数学)の成績を上げたければ、「読解力」を磨いたほうがいいのです。

 

では、「読解力」とそれぞれの教科は、具体的にどのような関係があるのでしょうか。

 

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AI時代の小学生が身につけておきたい一生モノの「読解力」

AI時代の小学生が身につけておきたい一生モノの「読解力」

福島 美智子 福島 万莉瑛

実務教育出版

「AIってよくわからないけど、子どもの将来が心配…」「これからの教育は、どうなるんだろう…」「親として、子どもに何をしてあげればいいのか…」。親のみなさんが不安になるのも当然です。そんなAI時代に、小学生のお子さん…

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