ストライクが10月に実施した中小企業の経営者を対象としたアンケートによると、6月のアンケート結果よりも、M&Aに積極的だという声が倍増していた。一体何故なのだろうか。株式会社ストライク執行役員広報部長の日高広太郎氏が解説する。

「コロナ禍の影響はあってもM&Aは必要」の回答増加

事業承継やM&Aに影響がないと回答した人の理由を聞いたところ、「コロナ禍による経営への影響はあるが、事業承継やM&Aは必要」と答えた人が36%と、6月調査から10%ポイント上昇した。

 

「コロナ禍でも経営環境に影響がないため」と答えた人は60%と、6月から10%ポイント低下した。コロナ禍で経営への悪影響は広がっているものの、M&Aや事業承継は必要と考えている経営者が増えていることを示した。

国内の感染者数は足元で拡大、M&A市場への影響注視

6月調査時は、政府が緊急事態宣言を発出した影響が色濃く残っていた。熊野氏は「足元では政府が感染防止と経済活性化の両立を目指す姿勢を鮮明にしており、中小企業経営者に安心感を与えている」と評価する。

 

もっとも、足元で新型コロナウイルスの国内感染者数が累計総数で20万人を超え、「第3波」に歯止めがかからないなど予断を許さない状況は続いている。

 

米政府によるワクチン承認など明るいニュースも増えているが、コロナ禍が企業のM&Aや事業承継に及ぼす影響についてはなお注視する必要がありそうだ。

11月M&Aは3月以来の月間80件乗せ

11月のM&A件数は前年同月比5件減の81件で、4ヵ月連続で前年を下回った。4ヵ月連続の前年比マイナスは2015年10月~2016年2月(5カ月)以来だが、11月としては過去10年で最多だった前年に次ぐ高水準。月間80件を超えるのも、新型コロナウイルスの感染拡大の初期である3月(88件)以来だった。

 

また、取引金額100億円超の大型案件は9件あり、2月(8件)を上回り、今年最も多かった。


全上場企業に義務付けられた適時開示情報のうち、経営権の異動を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online編集部)が集計した。

 

11月のM&Aの総開示件数81件のうち、海外案件は15件。また、1~11月の累計では771件と前年とそん色のない水準にある。

 

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