菅義偉政権に望む政策は、減税など「経済対策」が7割
菅義偉政権に望む政策は経済対策が7割――。M&A仲介大手のストライクが実施した中小企業の経営者を対象としたアンケートで、減税など景気浮揚を求める声が多数を占めた。
新型コロナウイルスの感染拡大の悪影響が長引くなか、法人税の減税などを要請する声が多い。足元では米大統領選挙で民主党のバイデン前副大統領が当選を確実にし、日米で株式相場が上昇。日本のM&A市場も比較的堅調な動きが続いている。
最近、出版した著書で「ポストコロナの社会の構築に向けて、集中的に改革し、必要な投資を行い、再び力強い成長を実現したい」と語った菅首相。M&Aや企業再編も含めた政策運営に、中小企業の経営者の注目が集まっている。
コロナ禍による企業業績や経営への影響が注目されるなか、ストライクは10月6~8日の間、インターネットを通じてアンケート調査を実施した。経営者が対象で、有効回答数は311人だった。業種別では建設業、製造業、情報通信業、卸売・小売、不動産、金融業など多岐にわたった。
「減税」「中小企業対策」を望む声が多く集まった
「菅政権に期待する政策は何か」という質問に対する回答で多かったのは「経済対策」で71%を占めた。「特にない」と回答したのは27%にとどまった(単独回答)。
要望のあった経済対策を詳細にみると、法人税や消費税などの「減税」と答えた経営者が13%にのぼった。これは「景気対策全般」(17%)に続いて多い数字だ。具体的には、法人税のほか、消費税や所得税の一時的な減税を求める声が多かった。「中小企業対策」も7%にのぼった。
日本経済新聞などによると、自民党税制調査会の甘利明会長は、2021年度税制改正で中小企業の再編を促す税制優遇策を検討する考えを示している。「菅政権に期待するM&Aや事業承継を後押しする政策」についての質問では、経営者からM&Aや事業承継の際の法人税の減税や補助金の支給を求める声が寄せられた。コロナ禍で厳しい経済環境が続く中、日銀による「金融緩和の拡大」や「政府による企業への資金繰り支援の拡大」を要請する声もあった。