コロナ禍でも好調続く…2021年「M&A市場」の見通しは?

2020年のM&A件数は最高水準、事業売却の急増が要因か

コロナ禍でも好調続く…2021年「M&A市場」の見通しは?

2020年のM&A件数は、政府が緊急事態宣言を発出した4月以降に失速の兆しが表れたものの、結果としては過去10年で最多だった昨年とほぼ同水準を維持した。いまだ新型コロナウイルス感染拡大終息の兆しが見えないなか、今年のM&A市場の見通しについて、どのように考えるべきなのだろうか。株式会社ストライク執行役員広報部長の日高広太郎氏が解説する。

2020年のM&A件数は849件と高水準…好調続くのか

新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、2020年のM&A件数(適時開示ベース)は、過去10年で最多だった昨年とほぼ同水準を維持した。昨年12月も、過去最高だった19年12月の件数に並ぶ水準だった。

 

コロナ禍でも…2020年M&A件数は高水準
コロナ禍でも…2020年M&A件数は高水準

 

日銀による超金融緩和や企業の子会社・事業売却の急増が下支えし、活況を維持した形だが、21年以降も好調なM&A市場が続くかには不透明感も残る。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「日銀や米連邦準備理事会(FRB)など中央銀行の金融政策の動きがカギを握る」とみている。

 

20年のM&A件数は前年比4件減の849件。13年以来7年ぶりに前年を下回ったものの、年間件数は過去10年で最多だった2019年に次ぐ高水準だった。

 

取引金額も11兆559億円と前年を3兆円近く上回った。ただ、ソフトバンクグループ(SBG)、セブン&アイ・ホールディングスの2大案件(計6.4兆円)が全体の6割を占め、全体としては案件規模の小型化が目立った。

 

上場企業に義務づけられた適時開示情報にもとに経営権が異動するM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online編集部)が集計した。

 

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