米株は新型コロナで急落後、順調な回復を見せる
足元、主要3指数とも史上最高値更新
■2020年の米国株式市場は、年初堅調にスタートしたものの、その後、新型コロナの感染拡大による景気見通しの急変により3月にかけて急落しました。しかし、各国・地域による積極的な金融・財政政策や、経済活動再開の動きを背景に、米国株式市場は3月23日を底に、反発に転じ上昇基調に復帰しました。
■9-10月は欧米での新型コロナ感染再拡大や政治的な不透明感からやや軟調な展開となりましたが、米国大統領選挙をこなした11月以降は再び上昇基調を取り戻しており、足元、米国株式市場は史上最高値を更新する堅調な推移となっています。
新型コロナで2極化進む
足元、出遅れセクターの巻き返しも
■今年の米国株式市場では、新型コロナの影響により2極化が進みました。セクターでは、景気の影響を大きく受ける「エネルギー」や「金融」が大きく出遅れる一方、ニューノーマル化の流れの中、コロナ禍でも業績が堅調な「情報技術」や「一般消費財・サービス」は大幅に上昇しました。また、スタイルでは「バリュー株」が出遅れる一方、「グロース株」が伸長しました。
■但し、足元では来年以降の景気回復を織り込む形で、一部、出遅れ株の巻き返しが進んでいます。
今後、業績相場への移行を待つ展開
■米国では足元、新型コロナ感染再拡大に対する懸念も見られますが、追加経済対策や新型コロナワクチンの接種開始などから景気回復に対する期待が高まっています。ここまで米国株式は積極的な金融緩和政策を背景とした過剰流動性に支えられてきましたが、2021年は景気回復とそれに伴う企業業績の本格的な回復が期待されることから、業績相場へ移行し堅調な展開が継続すると考えられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年の米国株式市場の振り返りと見通し』を参照)。
(2020年12月21日)
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