夫は毎朝…私が愕然とした信じられない行動
夫は毎朝、子供たちの顔も一秒たりとも見ずに出勤した。一日目、二日目…と指折り数えて十日たっても、我が子を抱っこしようとはしなかった。私は愕然としたが、隣りで泣く我が子にオッパイを飲ませオムツを替えながら母としての自覚を強調した。
夫のことに一喜一憂しているヒマはなかった。その時、舅と姑の部屋と今いる部屋の間の襖がサッと開いた。
舅がドカッといきなり入って来た。
「なんだ、そのひからびた乳は! そんなんじゃ、ちゃんと育たないべ。ウチのお母ちゃんなんて乳が溢れて大変だったんだぞ」
私は無言で授乳に集中した。舅の言ったことはちゃんと聞こえていたが、どうでも良い話だ。姑は姑、私は私。いちいち人と比較していたらキリがないし必要がない。
それよりも、夫が父親として成長してくれることを心から切望していた。夫が子供の頃父親に愛情を注いでもらえず淋しい思いをしたのであるならなおさら、我が子へ愛情を注いで心の中の空洞を埋めて欲しい。愛は与えることによって、より自分が満たされるものなのだから。
決して与えてもらうばかりでは満たされない。子供に対する愛は何の条件も駆け引きもない無償の愛だ。これほど強くて大きな愛は他に存在しない。
結婚してから、早くも一年一カ月が経過していた。これまでの道のりは山あり谷ありといろいろな出来事があった。