日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は焦点を当てるのは「高齢化率」と「介護負担」。現状を、都道府県別にみていきます。

 

今後、すべての都道府県で高齢化率は上昇していくと予測されて、2045年には、「秋田県」では50.1%にも達し、現在、高齢化率47位の「沖縄県」でも31.4%になるといわれています(2045年推測で、最も高齢化率の低いと予測されているのは「東京都」で30.7%)。ちなみに2045年までの高齢化率の伸びが高いのが「青森県」で、2019年33.3%から、2045年46.8%と、13.5ポイントも高くなると推測されています(図表2)

 

出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成 30年推計)」
[図表2]都道府県別「2045年推計高齢化率」上位10 出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成 30年推計)」

高齢化進行で、増大し続ける介護負担

高齢化の進行で、社会の負担も増大する一方です。国立社会保障・人口問題研究所「社会保障費用統計」(2017年)によると、年金や医療費などを合わせた社会保障給付費は120兆2443億円と、過去最高を更新。国民所得に占める割合は、29.7%にもなります。さらに社会保障給付費のうち、高齢者関係給付費は79兆7,396億円にもなっています。

 

また介護制度で要介護、要支援の認定を受けた人は、2017年に452.4万人。被保険者のうち65歳以上に注目していくと、要支援は65~74歳世代の1.3%、75歳以上世代で8.6%、要介護は65~74歳世代の2.9%、75歳以上世代で23.3%となっています。

 

介護が必要になった理由として最も多いのが、「認知症」で18.7%。「脳血管疾患(脳卒中)」が15.1%、「高齢による衰弱」が13.8%、「骨折・転倒」が12.5%と続きます。

 

介護負担を家庭単位でみていきましょう。総務省による「社会生活基本調査」(2016年)によると、家族の介護に従事する家庭は、全体の3.1%。男女別にみると、男性が介護に携わっているのは1.6%、女性が介護に携わっているのは4.6%と、大きな差が生じています。65歳以上人口が2019年で、男性は1,560 万人、女性は2,029万人と、女性優位であること、女性のほうが平均年齢が高いことも関係していると推測されます。

 

また内閣府による「高齢者の健康に関する調査」(2017年)では、介護が必要になったら誰に介護をしてもらいたいかを55歳以上に聞いています。それによると、男性の場合は 「配偶者」が56.9%と最も高く、「ヘルパーなど介護サービスの人」22.2%、「子ども」12.2%と続くのに対し、女性の場合は「ヘルパー など介護サービスの人」が39.5%と最も高く、「子ども」31.7%、「配偶者」19.3%と続きます。このような介護に対する男女による意識の差も、女性のほうが介護負担が大きいという結果につながっていると考えられます。

 

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