本記事では精神保健福祉士・野坂きみ子氏の書籍『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「こころの問題」についてひも解いていきます。今回は、ネットに多く存在する「発達障害チェックシート」を過信すべきではない理由について見ていきます。

発達障害のチェックシートは、該当する人が少なくない

発達障害の理解が進み、このようにタイプが示されてくると、自分は大丈夫だろうかという不安がよぎり、「発達障害かもしれない症候群」などと言われてしまう始末です。ネットを開けば発達障害だけではなく過敏性性格やさまざまなチェックシートがあり、試してみることができます。

 

困ったことに、気にしている人が使うと結構該当したりします。「ネットのチェックシートをしてみたのですが、私、この障害ではないでしょうか」と相談の中で言う人も珍しくありません。

 

「ネットのチェックシートをしてみたのですが……」(画像はイメージです/PIXTA)
「ネットのチェックシートをしてみたのですが……」(画像はイメージです/PIXTA)

 

チェックシートも診療や相談の導入として有効な時もありますが、気にしている人が一人でやって不安を増長するのはよいとは思えません。自分のことを誰かにこうだと言ってほしい、決定してほしいというのは、占いとほぼ同じです。

 

具体的に何に悩んでいるのか、何に不安を感じているのかが重要で、自分の問題として、身近な信頼できる人に相談する、精神的不調がありつらいのであれば精神科を受診するなどしていただきたいと願います。

 

 

本記事は連載『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』を再編集したものです。

 

野坂 きみ子

 

 

“発達障害かもしれない人”とともに働くこと

“発達障害かもしれない人”とともに働くこと

野坂 きみ子

幻冬舎メディアコンサルティング

「接し方がわからない」「予想外の反応に戸惑う」ーー大人の発達障害に悩むのは本人だけじゃない。 長年、医療福祉相談員として働いてきた著者が語る、ともに向き合い、仕事をしていくうえで必要なこととは?

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