なぜ社員満足度は「給料アップ」だけでは上がらないのか?

日本の労働法は、労働事件が発生したとき社長を守ってくれない。経営判断をするとき、「これってまずくないか?」と立ち止まる感覚が必要だという。これまで中小企業の労働事件を解決してきた弁護士は、この“社長の嗅覚“を鍛える必要があるとアドバイスする。本連載は島田直行著『社長、辞めた社員から内容証明が届いています』(プレジデント社)から抜粋、編集したものです。※本連載における法的根拠などは、いずれも書籍作成当時の法令に基づいています。

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社員満足度は社長と社員の個人的なつながりが重要

社員満足度とは、この社長の下でがんばっていけるかどうか

 

中小企業の社長の頭の中を整理すると、まず自分が中心にあって、外に向かって家族、社員、取引先が配置されている。つまり、「取引先よりも社員のほうが大事」というわけだ。

 

このところ、「社員満足度を上げて収益を伸ばしていこう」ということを主張する本をよく目にするようになった。人は、自分が受けた恩恵を超えて誰かに恩恵を与えることはできない。社員も社長からしてもらった以上のことを取引先にすることはしない。だから、社員の満足度を上げることは、商品あるいはサービスの品質を上げることになる。

 

賃金を上げても社員のやる気は一時的にしか上がらないという。(※写真はイメージです/PIXTA)
賃金を上げても社員のやる気は一時的にしか上がらないという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

では、社員満足度は、いかにして上げていくべきだろうか。

 

最初に確認すべきは「社員の満足とはなにか」ということだ。いろんな考え方があるだろうが、突き詰めれば「社員が社長の下でがんばっていこうと感じられるかどうか」だ。社長と社員の個人的なつながりがあってこそ、社員の満足度を確保できる。

 

社長のなかには、社員満足度を上げるために賃金を上げたり福利厚生を充実させたりすることばかりに気を取られている人がいる。しかし、これは明らかに間違っている。賃金は確かに大事なことだが、賃金を上げても社員のやる気は一時的にしか上がらない。むしろ賃金の多寡でしかやる気を見出せない社員になってしまう。同じように、福利厚生の充実を図ることもきりがない。

 

賃金アップにしても福利厚生の充実にしても、やろうと思えばすぐに着手できるものだ。慶應義塾大学の塾長であった小泉信三の言葉に「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」というものがある。まさにこれだ。社員満足度を上げるということは、手間と時間のかかることなのだ。

 

社員満足度の高い会社に共通する3つのポイント

 

私のこれまでの経験から、社員満足度の高い会社には共通点のようなものがある。それを整理すると以下の3つのポイントになる。

 

(1)会社の5年後をイメージできる

 

社長にとって会社は夢を実現させる場所かもしれないが、社員にとっては生活の糧を稼ぐ場所である。なにより大事なのは、経営が安定して将来も確実に賃金を支払ってもらえるのかということだ。社長がいくら事業拡大の夢を語っても、目の前の賃金が上がらず評価基準もはっきりしなければ、社員はしらけてしまう。「この社長なら大丈夫」という安心感こそ、なにより社員が求めているものだ。

 

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島田法律事務所 代表弁護士

山口県下関市生まれ。京都大学法学部卒。山口県弁護士会所属。
「中小企業の社長を360度サポートする」をテーマに、社長にフォーカスした“社長法務”を提唱する異色の弁護士。会社の問題と社長個人の問題をトータルに扱い、弁護士の枠にとらわれることなく、全体としてバランスのとれた解決策を提示することを旨とする。基本姿勢は訴訟に頼らないソフトな解決であり、交渉によるスピード解決を目指す。顧問先は、サービス業から医療法人に至るまで幅広い業界・業種に対応している。
最近は、労働問題、クレーム対応、事業承継(相続を含む)をメインに社長に対するサービスを提供。クライアントからは「社長の孤独な悩みをわかってくれる弁護士」として絶大な信頼を得ている。とくに労働問題は、法律論をかかげるだけではなく、相手の心情にも配慮した解決策を提示することで、数々の難局を打破してきた。そのような実績から、経営者あるいは社会保険労務士を対象にしたセミナーで、「社長目線での解決策」を解説することが多い。これまで経営者側として対応してきた労働事件は、残業代請求から団体交渉まで、200件を超える。

著者紹介

連載知らないと損する!労働法は社長の味方ではありません

社長、辞めた社員から内容証明が届いています

社長、辞めた社員から内容証明が届いています

島田 直行

プレジデント社

誰しもひとりでできることはおのずと限界がある。だから社長は、誰かを採用して組織として事業を展開することになる。そして、誰かひとりでも採用すれば、その瞬間から労働事件発生の可能性が生まれる。リスクにばかり目を奪わ…

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