「日々の生活費」を削っても…
通勤・通学などの交通費は削れませんし、子どもの学費や修学旅行の積立金などを削るわけにもいきません。育ち盛りの中高生がいる家庭で食費を6万円以下に抑えるのはかなり難しいことですし、家族4人が携帯電話を保有しインターネットを使えば、たとえ格安スマホにしても通信費は2万円程度かかるでしょう。
「外食はほとんどしない」「旅行やレジャーなどにも行かない」「夫は酒もたばこも我慢する」。そんな暮らしを続けてどうにか成り立つ状態といえます。
預貯金を切り崩す暮らしなので、思わぬ出費がかさむと、家計は簡単に行き詰まり混乱し始めます。親族の結婚式や子どもの進学費用、親の介護費用や病気の治療費など、一定の頻度で通常の家計では賄えない出費が発生します。
突然の出費を賄う方法は主に二つしかありません。一つは親兄弟から借りること。もう一つはクレジットやキャッシングを利用することです。いずれにしろ借金をすることになり、次の月からはその返済がギリギリ状態の家計に重くのしかかります。
数カ月後、再度突然の出費が発生すれば、借金を重ねるしかありません。そのようにして借金の額と借入先が増えていくと、最終的にはいつ、どの金融機関にいくら返せばいいのか、わからなくなってきます。自身で整理してみればわかるのですが、返済するあてがない借金のことを考えるのはひどく気が重くなる作業です。
ついつい後回しにしているうちに、気がつくと給料日の銀行口座残高が数百円という事態に陥ってしまい、そこでようやく住宅ローンの返済に行き詰まってしまったことに気づくのです。