■米大統領選挙では民主党のバイデン氏が勝利し、「バイデン大統領+上院共和党+下院民主党」となる見通しです。この場合大規模な財政拡張は難しく、成長の押し上げは限定的とみられます。また、新型コロナによる新規感染が拡大しており、10-12月期の経済活動は鈍化すると予想されます。一方、これまでの行動制限の効果やワクチン接種が始まるため、景気の悪化は一定程度に収まると期待されます。
■15-16日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、景気減速の影響が数字で確認される局面と考えられるため、追加緩和の有無が注目されます。現在取られている行動制限等により新規感染者数の伸びが低下するとみられることなどから、弊社では今回は変更なしとみています。
■欧州でも新型コロナ感染再拡大から規制を再び強化する動きとなり、11月以降、景気が再び落ち込む可能性が高まっています。新規感染者数の増加ペースはピークアウトしつつありますが、インフレ水準やインフレ期待が低いため、欧州中央銀行(ECB)は追加緩和を行う可能性が高いと見込みます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年12月の注目イベント』を参照)。
(2020年11月25日)
関連マーケットレポート
2020年11月13日 リスク選好が鮮明となった世界の「投信マネー」
2020年11月12日 世界を支える強力なリフレ政策(吉川レポート)