家族のことも忘れ、プライベートも捨て、身を粉にして24時間戦う不動産営業マンたち。しかし、24時間戦い続けていながら、結果が伴わないことが多いのが不動産営業マンのあるあるだ。ここでは、つらすぎる不動産営業マンたちが日々の悲哀を語り合う。今回のテーマは「最近あったつらいこと」。一般企業とはちょっと異なる業界の裏事情を垣間見る。※本連載は、全宅ツイ(全国宅地建物取引ツイッタラー協会)の著書『不動産営業マンはつらいよ』(KKベストセラーズ)より一部を抜粋・再編集したものです。

つらすぎる不動産営業マンたち…日々の悲哀を語る

体育会系? ブラック企業体質? 頑張れば頑張っただけ給料になる? 不動産業と言えば、一般的な企業とはちょっと違う働き方のイメージ。そんな不動産業界の日々の業務のなかのトホホな出来事をTwitterでユーモラスに語るのが、全日本宅地建物取引ツイッタラー協会(通称・全宅ツイ)の面々だ。

 

今回は地主の靴ペロや法人取引先への滑り込み土下座、クソ物件オブザイヤーの選定と、忙しく働く全宅ツイの皆様にお集まりいただき、不動産営業マンの悲哀について語ってもらいました。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

あくのふどうさん(以下あくの):みなさん、平日の昼間というお忙しい時間に仕事をサボってお集まりいただき、ありがとうございます。

 

あくの:まず自己紹介からはじめましょうか。まずは私から。私のTwitterでの名前は「あくのふどうさん」というアカウント名のバツイチです。外国人の彼女がいたんですけど、最近どうやら海外に彼氏がいることが発覚しました。いまの本業は不動産のブローカーで、個人の所有不動産はゼロ。最近、フラット35に借り入れを申請したら「仕入れ資金だろ!」って言われて融資を断られました。

 

リチャホ:ホントに仕入れ資金だったんですか?

 

あくの:いやー。なんかまあ、難解な条文入れたら弾かれちゃった。あの人たち、よく見てるね。じゃあ次は若手の峰くんで。

 

峰 不二夫(ツーブロちゃん)(以下ツーブロ):前職はバンドマン兼セクシャルマイノリティのためのソーシャルネットワークサイトを運営、現職はリテールで個人向けの営業になって7年目です。住まいは義理の祖父が所有する自社ビルで、一階に義実家の職場があるため、平日休みの私は昼から肩身狭く少し離れたコンビニでお酒買って飲んでます。夜の営みに悩み中です。

 

はとようすけ(以下はと):嫁の家族が一階で働いてる物件に住んでりゃ●ックスレスにもなるよねwww。じゃあ次は僕で。「はとようすけ」です。高校卒業後に賃貸仲介、その後に売買の仲介をメインに行うリテール系の会社を数社渡り歩き、今は同じくリテール系会社2年目です。役職的には課長なんですけど、課に僕ひとりですwww。偉そうに見せるための名ばかり管理職です。父の実家を相続して実家で暮らしています。ずっと営業です。

 

リチャホ:僕もツーブロさんと同年代で、不動産仲介業者に新卒で入社して10年ちょっとになります。自己所有の不動産に住んでいるのですが、家を建てるときに勤め先のメインバンクが一切お金を貸してくれませんでしたwww。

 

あくの:なんで? 歩合制だから稼いでるでしょ?

 

リチャホ:歩合給の割合が多すぎたんですよね。歩合の比率が高いんで社内でも売上の取り合いは日常茶飯事です。あと、お客さんは法人のみなので基本的に土日は休みです。

 

はと:えーー! いいなぁ。この業界は土日休みの営業マンが偉いんですよ!

 

リチャホ:今日は平日なんで、東京出張のついでに参加しました。かずおさんも土日休みですよね?

 

かずお:ウチも土日休みですね。あ、「かずお君」と言います。中堅デベロッパーで不動産流動化の部署にいました。銀座で物件をバンバン買ってたら、リーマンショックで会社が数百億クラスの負債を残して華々しく飛んだんですけど、そのうちの4割ぐらいが僕の関わってた案件でしたwww。今は事業会社の不動産部に勤めています。

 

あくの:それは輝かしい経歴。巨額の負債を作れるのもキャリアのうちだ。

 

野球くん(以下野球):じゃあ次は僕で。「野球くん」という名前でTwitterをやってます。いまは老舗の地主企業に就職して、カウンターで「ぼぉ~」っとしてます。会社の賃料収入のほぼすべてが駐車場ですし、会社の戸建賃貸をリフォームして安く住んでたり、完璧にぬるま湯に浸ってますね。

 

あくの:ぬるま湯の前はどうだったんですか?

 

野球:前職は中堅マンションデベだったんですけど、しんどかったのは商社と一緒にやってたプロジェクトですかね。最初は資本比率が8:2とかだったのにリーマンショックのせいで、気がついたら1:99とかになっちゃって、何百人の入居者を相手に2週間で同意書をとった時はつらかったですね。

「いっそバイトした方が稼げるんじゃねぇかな」

あくの:え~っと、野球さんから“つらい話”が出たところで、座談会始めましょう! 今回は「最近あったつらいこと」について。何がつらいって考えた時に、やっぱり思うように売上が上がらないときがつらいと思うんですけど…。

 

はと:そうですね。最近、やる仕事やる仕事うまくいかなくて…。僕、先月は25組くらい案内をしてるんですけど…。

 

野球:すごいっすね。1日1件のペースだ!

 

はと:それだけ働いてるのに手数料が削りに削られて100万円とかになっちゃうと、「いっそバイトした方が稼げるんじゃねぇかな」って思っちゃいますね。

 

野球:時給に換算すると…ほんとだwww。

 

はと:ガソリン代や駐車場代とか経費は自分持ちなんです。経費をたくさん使って、顧客が「契約する」って言うから管理会社に高いお金を払って「重要事項に関する調査報告書」も取り寄せたんですけど、そのお客さんは2回もキャンセルしたんですよ! 大●さん管理物件の「重要事項に関する調査報告書」の金額、1万5000円も取るんですよ! そういうのが積み重なるとバイトしたほうがいいんじゃんって。売上が思うようにいかないのもつらいけど、自分のお金がドンドン減っていくのと、時間を無駄遣いしているのがつらい。

 

あくの:営業には無駄打ちも必要だけど、それはつらいですね…。

 

はと:何千万の物件の買い付けって「やっぱやめます」のひと言でキャンセルできるほど軽いもんなの、って思うんですよ!

売る気ゼロの「査定依頼」に時間もお金も消えていく

ツーブロ:ウチの会社は個人の方からマッチングサイト経由で「売りたい」って査定依頼の連絡がバンバン来るんです。それで先月はたぶん30件ぐらい査定書を作ってるんですけど、査定書を作っただけで媒介はゼロ。

 

あくの:それはやばい。

 

ツーブロ:査定書を作って届けて「査定の依頼、ありがとうございます! ご検討状況いかがでしょうか?」って電話したら「まだ売るつもりないんで。どのぐらいの価格か知りたかっただけなんで」ってガチャ切りですよ。コッチは査定書を作るだけでマッチングサイトに1万円ぐらい支払わなきゃいけないんです! 自分の物件の価値を知りたいからって売る気もないのに連絡してこないでよ…。

 

野球:ぶっちゃけ、そのシステムっていくらでもイタズラができるよね。僕がマッチングサイト側の人間だったとして、適当なメアドから査定の連絡するだけでお金がチャリンチャリン入ってくるじゃん。

 

ツーブロ:イタズラは本当に多いですね。大宮に住んでる「鈴木宗男」から査定依頼が来たことありますよ。さすがに怪しいと思って査定書を作る前に謄本確認したら、案の定イタズラでした。

 

あくの:同性同名じゃなかったんだ。www。

 

ツーブロ:それだけ無駄打ちを経て売却の相談までこぎつけて、3週間ずっと説得して最終的に売主が言った言葉が「わかりました。6社で一般で売ります」って、専任媒介じゃないんかーい! 一般だと弊社より販売力のある大手さんがゴリッと売却しちゃうから、説得しようとしても無理でした。

 

はと:この手の案件は住●不動産のゴリラが来たら終わり!

 

ツーブロ:パワー系のゴリラがぜんぶ持っていきますからね!

 

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不動産営業マンはつらいよ

不動産営業マンはつらいよ

全宅ツイ

KKベストセラーズ

不動産業界を必死に生き抜くつらい不動産営業マンたちの魂の叫びを聞け! 上司に詰められ、部下にナメられ、取引先では土下座もいとわない…。 という不動産営業マンの悲哀がつづられたツイート(#不動産営業マンはつらい…

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