Q 術後の眼の充血や痛みが気になります
術後は、患者さんから充血や痛みについての問い合わせが多く寄せられます。
「手術したあと、ゴロゴロして痛かったけれど、大丈夫?」
「眼の充血がなかなか取れないので心配です」
「次の日、眼帯を外してもあまりはっきりとは見えないけど、本当に良くなっているんですか?」
白内障手術で生じる傷は、2mm程度の非常に小さなものです。手術自体もすぐ終わるので身体への負担は少ないのですが、やはり手術直後は眼がゴロゴロして痛みを感じたり、涙が出たり、充血したりします。
これらはごく一般的な症状なので、当日は無理せずに、家でゆっくり過ごすようにしてください。
ここでは主に聞かれる術後の気になる症状と、その理由を紹介します。
●眼の充血が気になる
術後に起こりやすい症状です。手術では眼に強い刺激を受けるので、眼球の毛細血管が膨張することによって起こります。処方される目薬を差していれば、3~7日ほどで症状はなくなります。細菌感染を防ぐために、決められた用法で点眼薬を使用してください。
●光の刺激で眼が痛い
術後は、水晶体の濁りが取れたことで視界がとても明るくなります。眼のなかに入る光を直接感じやすくなり、眼が痛くなることがあります。徐々に慣れてくることが多いため、しばらく様子を見てください。
●見えにくくなった
無事に手術が終了しても、「見えにくい」と感じる状態がしばらく続くことがあります。これは、新しい眼内レンズにまだ脳が慣れていないために起こる現象です。早ければ翌日、長くても1週間すれば、ほとんどの方が視力の回復を実感できるようになります。ただし、単焦点眼内レンズに比べて、多焦点眼内レンズは慣れるまでの個人差が大きいため、なかには慣れるまで1~6カ月程度かかる方もいます。術後にしっかり経過観察をしていきますが、不安や心配がありましたら、なんでも担当医に相談してください。
●眼に見えるものが青く感じる
水晶体は、年齢を重ねるにつれてだんだん黄色味を帯びていき、青色などの短い波長の光を取り入れにくくなっていきます。白内障の手術後は、眼内レンズがこれらの光を取り入れるようになるので、これまでとは違って視界が青みを帯びて見えることがあります。これもしばらくすると気にならなくなります。
●コバエのような小さいものが飛んでいるように感じる
眼の奥にある硝子体が濁っていることが原因で起こる、飛蚊症の症状の一つです。白内障の手術で水晶体の濁りが取り除かれたことで、改めて硝子体の濁りが自覚症状として出てきたものです。多くの場合は時間が経過すると気にならなくなるので、検診で様子を見ていきましょう。
●視野の端に、時々半円の弧のような光が見える
小さな眼内レンズを新たに入れたことで、光が乱反射して半円の弧のような光が見えることがあります。見えることはまれですが、時間が経つとともに改善することが多いため、3〜6カ月程度様子を見ます。
●遠くは見えるようになったが、近くは手術前より見えにくい
「遠くは見えるけれど、近くが見えにくくなった」というのは、近視だった人が、単焦点眼内レンズを使用したときに多い訴えです。近視で長年手元にピントが合っていたけれど、術後は眼鏡なしで遠くを見たいという希望があり、単焦点眼内レンズで遠くにピントを合わせたのが原因です。また、比較的年齢が若い人にこうした感想が多いようです。こうしたギャップが出ないように、単焦点眼内レンズの見え方について、手術前によく医師から説明を受けることが大事です。基本的に、単焦点眼内レンズで遠くにピントを合わせた場合は、近くを見るときには老眼鏡を使用する必要があります。
●両眼の白内障手術を受けたあと、左右で見え方が違う
左右で見え方が違う原因は、ほとんどが術後に残っている乱視によるものなので、眼鏡で乱視矯正をすれば改善されるでしょう。ただし、ごくまれに、眼内レンズの度数と眼が合っていないことがあります。眼内レンズは通常、それぞれの眼に合った度数のものが選択されますが、それでも誤差が生じてしまった場合には、左右で見え方に差が出てきてしまいます。差が大きい場合は、レンズ交換手術を検討しなければいけません。いずれにしても違和感があるようなら、医師に相談してみましょう。
●ドライアイが気になる
もともと少し眼が乾いている人が手術を受けると、ドライアイによる症状が一時的に悪化することがあります。原因は、手術自体や術後の点眼などの刺激によるものです。担当医と相談してドライアイ治療をすれば、多くは2~3カ月で症状が落ち着きます。
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