白内障は、60代で約80%、80代でほぼ100%と、だれもが罹患する病気です。しかし、甘く見て放置していると、その裏で深刻な病気が進行しているケースもあるため注意が必要です。本記事では、白内障の手術を検討している人に向け、医療機関の選択基準を解説します。※本連載は、渡邊敬三氏の著書『誤差ゼロを追求する 渡邊式・白内障治療』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

眼科でいう「レンズの屈折度=D」が意味するもの

屈折誤差について理解を深めていただくために、ここでは「D」という単位の説明をしましょう。「D」は「ディオプトリ」または「ディオプター」と読み、レンズの屈折度(眼の屈折力)を表す単位です。

 

一般の人は「私の視力は1.2」とか「0.7」など、視力検査で出た数字で「眼が良い」「眼が悪くなった」と判断すると思いますが、これは裸眼視力を示す数字です。眼科ではそれを、その人の裸眼視力を矯正できるレンズの度数で示すようになっています。

 

そもそも眼科でいう「屈折」とはなんでしょうか。眼の構造はカメラに似ています。眼に入った光がレンズ(角膜と水晶体)のところで角度を変え(屈折)、それがフィルム(網膜)に当たって「見える」という現象をもたらします。このうち、角膜と水晶体が光を屈折させる力の度合いを「屈折力」といいます。

 

光が1カ所に集約されるピント(焦点)が網膜上で合えば、像がはっきり結ばれてよく見える状態になります。これが「正視」の状態です。

 

角膜と水晶体の屈折力が強過ぎると、像は網膜より手前で像を結んでしまうため、網膜に浮かぶ像はピンボケします。また同じ屈折力だとしても、角膜から網膜までの距離(眼軸)が長ければ像は網膜に届きません。これが「近視(近眼)」です。同じように、屈折力が弱過ぎたり眼軸が短かったりして網膜の後ろで像を結ぶのが「遠視」、角膜の歪みによって屈折が乱れ、どこにも像を結べない状態が「乱視」です。

 

近視・遠視・乱視は、まとめて「屈折異常」と呼ばれます。どれも「屈折に異常があって、ピントが網膜に合わない状態」ということができます。

 

この屈折異常を正視の状態にするために必要なレンズの度数が、眼科ではDという単位で表されているわけです。

 

眼科の医療機関でなくても、例えば眼鏡店へ行ったとき、店員さんに「私の視力は0.7です」と裸眼視力だけ伝えても、眼鏡やコンタクトレンズを買えません。眼鏡のレンズやコンタクトレンズもDの単位で度数が区切られているからです。

 

Dの数値は「裸眼でピントが合う距離をm(メートル)表示した数字の逆数」であり、「D=1÷焦点距離(m)」という数式で導き出します。このとき正視の眼を「0」とし、凹レンズを用いる近視は負の値(マイナス)、凸レンズを用いる遠視は正の値(プラス)で表します。

 

例えば、裸眼だと0.5m先でちょうどピントが合う人の場合「1÷0.5=2」で、近視の人なら-2D、0.2mでピントが合う近視の人なら「1÷0.2=5」で‒5Dです。

 

このように、Dの絶対値(プラス・マイナスを外した数値)が大きいほど屈折度は強く、正視にするために用いるレンズの度数も強くなります。

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誤差ゼロを追求する 渡邊式・白内障治療

誤差ゼロを追求する 渡邊式・白内障治療

渡邊 敬三

幻冬舎メディアコンサルティング

手軽に白内障手術を受けられる時代だからこそ正しい知識とクリニック選びで、術後の視力は劇的に変わる! 患者一人ひとりのQOL(生活の質)の向上こそが白内障治療の最大の目的である。 「最善の白内障治療法」を日々追…

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