日本ではあまり馴染みがありませんが、欧米の富裕層の間では美術品が価値ある資産として扱われ、オークションなどを通じて、古いものであっても高値で取引きされています。アートコンサルタントの第一線で活躍する長柄発氏が、知られざるアートシーンを、自身の経験も交えて紹介していきます。第1回目のテーマは「高級腕時計」。

新しい生活様式のなかで、筆者が注目した時計は…

仕事の移動では年に4万キロ、クルマで走る筆者は、今でも下手なタクシー運転手よりも車で走る。クルマの振動は時計の大敵。さらに筆者の趣味である草刈りや、裏山の伐採でも振動は半端ではない。特に草刈り機のエンジンの振動は相当なものでこの10年で電波時計と機械式のベレッタのダイバー2個を壊した。ベレッタは、イタリアの歴史ある猟銃や散弾銃を中心に扱う銃火器メーカー。自動拳銃では特に有名なあのメーカーだ。

 

分厚い削り出しのステンレスケースに収まる機械式の格好いいレアモデルで、ロンドンのハロッズで一目惚れして購入したものだった。しかし裏ぶたのネジが緩んだあげく、風呂でムーブメント(本体)に浸水してしまったのだ。

 

いま、筆者が一番気に入っているのは3万円で買った「Gショック」。「新しい生活」でいわきの里山に居ることが多くなった筆者は、趣味の林業に勤しむ時間が増えた。今度、チェーンソー買ったらハードな振動でフツーの時計はさらに壊れるだろう。Gショック、これは壊そうと思ってもそう簡単には壊れない。チェーンソーで切ってもきっと壊れないだろう。

 

一番気にっている「Gショック」(写真:筆者提供)
あっという間に壊れたベレッタのダイバー(写真:筆者提供)

 

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