日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「健康と睡眠」、そして「所得」との関係について焦点をあてていきます。

「睡眠不足大国・日本」を都道府県別に見ていくと…

健康を保つために重要なのは、食だけではありません。「適度な運動」、そして「適度な睡眠」。どちらもお金をかけなくてもウォーキングなどの運動はできますし、寝るところもない、という状況でない限り、睡眠をとるのにお金はかかりません。しかし同調査では、下記のような結果が出ています。

 

■歩数の平均値
世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、200万円未満の男性世帯員で少ない。女性世帯員は、600万円未満すべての世帯で少ない。

■睡眠による休養が十分にとれていない者の割合
世帯の所得が600万円以上の世帯員に対して、200万円未満の女性世帯員で高い。

 

世帯所得が高いほうが、低い世帯に比べて、運動においても睡眠においても良い結果が出ているというのです。

 

OECD(経済協力開発機機構)による*と、睡眠時間の平均は中国542分、アメリカ528分、スペイン516分、フランス513分、イギリス508分と、多くの国で500時間を超えるなか、日本は最下位の442分。特に男性に比べて女性は家事や育児の負担が大きいため、睡眠時間が短く、慢性的な寝不足状態にあると指摘されています。

 

*「Gender Date Portal 2019」より

 

もちろん「日本人は睡眠時間が短い」といっても地域差があります。厚生労働省による「社会生活基本調査」で、都道府県別の平均睡眠時間をみていきましょう。

 

それによると、最も睡眠時間が長いのは「秋田県」で、47都道府県で唯一の8時間超えの8.02時間(図表1)。続いて「青森県」7.59時間、「山形県」7.56時間、「岩手県」7.54時間と、東北勢は十分に睡眠時間を確保できているようです(ほか「福島県」は9位、「宮城県」は同率14位)。

 

出所:厚生労働省「社会生活基本調査」
[図表1]都道府県別「睡眠時間」トップ10 出所:厚生労働省「社会生活基本調査」

 

一方で最も睡眠時間が短いのが「埼玉県」で7.31時間。「千葉県」7.32時間、「神奈川県」7.33時間と、東京周辺の3県がワースト3。「東京都」も下位グループで同率40位の7.35時間と、首都圏は慢性的な睡眠不足に陥っているエリアといえそうです。

 

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