遺産の平均額は2,000万円程度です。多額となる葬儀費用の捻出のため、早く遺産を受け取りたいと考える人は少なくありません。しかし、インターネット等で調べてみてもケースバイケースと書いてあるだけで、「自分はいつ貰えるのか」を把握することは容易ではないでしょう。そこで今回は「遺産の受け取り時期」について解説していきます。※本連載は、新宿税理士事務所の税理士である坂根崇真氏が、相続税対策の基礎知識について解説します。※本記事は 「新宿相続センター」掲載の記事を転載・再編集したものです。

遺産がもらえるまでの相続手続きの流れ

遺産は、相続手続きが完了したら受け取れるということですが、その手続きについて簡単に流れを確認していきます。

 

 

相続が発生したらするべきことは、


・遺産分割手続き
・預貯金口座の解約などの手続き
・相続税申告手続き
・相続登記手続き

 

などありますが、遺産を受け取るために特に重要なのは遺産分割手続きです。

 

遺産分割手続きとは、被相続人の財産を相続人に引き継ぐ手続きのことです。相続人が複数いる場合には、相続財産は、被相続人が死亡した時点で相続人全員の共有財産となります。したがって、相続人全員で遺産分割協議という話し合いを行い、「誰に、何を、どれくらい」引き継ぐかを決定します。
 

なお、このとき作成する文書を「遺産分割協議書」といいます。遺産分割協議書には相続人全員の実印を押印し、印鑑証明書を証拠として用います。
 

相続人が1人の場合はあまり問題になりませんが、兄弟など相続人が複数人いる場合は「誰に、何を、どれくらい」引き継ぐかで揉めてしまうことは少なくありません。お金が絡む問題なので、司法書や弁護士など専門家のサポートをきちんと受けると良いでしょう。

 

出典:あんしん相続税(https://tax.brushmaker.co.jp/souzokuzei/timing/)
[図表1]相続手続きの簡単な流れと時期 出典:あんしん相続税(https://tax.brushmaker.co.jp/souzokuzei/timing/)

 

◆遺産相続の話し合いの時期はいつが良い?

だれがどの財産をいくらもらうかの話し合いは、葬儀や告別式などが落ち着いたあとが良いでしょう。 いつ切り出すのかタイミングがむずかしいですが、最近では四十九日の法要などを行わない家庭も増えてきました。そうなると、親族間で話し合う機会が中々ありませんが、いつまでも放置できる話ではありません。



したがって、告別式などが終わり、一旦落ち着いた段階で話を切り出すと良いでしょう。相続には放棄など期限がある手続きも多いため、遅くとも、亡くなったあと3ヵ月以内には済ませたいものです。

 

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