相続税法や民法の改正により、相続はより身近な存在となりました。もちろん相続トラブルももはや他人事とは言っていられません。子ども世代に迷惑をかけないためにはどうすればよいのでしょうか? ふつうの家庭で実際に起きている事例を基に、「自分の想いを叶えることができる遺言書」の書き方を解説します。※本連載は、楠部亮太弁護士、中川紗希弁護士、平田久美子税理士ら監修の『失敗しない遺言とお墓のはなし』(税務研究会出版局)より、一部を抜粋・再編集したものです。登場するすべての事例・住所や氏名などはいずれも架空のものであり、実在の人物等とは関係ありません。

遺言があっても受け取れる、最低限の相続分「遺留分」

遺言により、法定相続分に縛られずに相続財産を分けることができますが、限界もあります。

 

民法上、一定の相続人について、遺言があっても最低限受け取れる相続分を定めています。この最低限の相続分を遺留分といいます。

 

遺留分のある相続人は、配偶者、子(代襲相続人を含む)、直系尊属です。兄弟姉妹に遺留分はありません。各相続人の遺留分は、【図表10】のように算出されます。

 

遺族例による遺留分は、【図表11】のとおりとなります(なお、「かっこ内の割合」が自らの法定相続分です)。

 

※資産等の積極財産(生前の贈与を含むこともあります)から、借金等の消極財産を控除した金額
【図表10】遺留分とは 資産等の積極財産(生前の贈与を含むこともあります)から、借金等の消極財産を控除した金額 
イラスト:新岡麻美子

 

イラスト:新岡麻美子
【図表11】遺留分の計算方法の例 イラスト:新岡麻美子

「遺留分を意識した遺言」で相続トラブルを回避

遺贈や贈与が特定の相続人の遺留分を侵害していたとしても、その遺言が無効になることはありません。

 

しかし、遺留分を有する者(遺留分権者)が、遺留分の侵害を主張し、遺留分に相当する金銭を支払うように請求すると(この請求のことを、「遺留分侵害額請求」といいます)、その部分に限り、遺言による遺贈や贈与が無効となってしまいます。その結果、遺留分に関連し、争いが生じる場合も考えられます。

 

遺留分を侵害しないように相続財産の配分を遺言で定めておくことが考えられます。自らの希望をできる限り実現するためにも、遺留分に十分配慮して遺言を作成されると良いでしょう。

 

 

楠部 亮太

楠部法律事務所 代表弁護士

 

中川 紗希

abri(アブリ)新宿総合法律事務所 代表、弁護士

 

平田 久美子

平田久美子税理士事務所 代表、税理士

 

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