また金融知識の正答率が高いのは、「年齢が高い」「年収・金融資産額が高い」「金融・経済情報をみる頻度が高い」などの傾向があり、さらに正答率が高い人の行動や考え方の特徴として、「家計管理をしっかりしている」「金融商品等を買う際には、商品性を理解して購入している」「損失回避傾向は低い」「資金計画を立てている」「緊急時の備えをもっている」などの傾向がみられました。
さらに同調査では米国の調査とOECD(経済協力開発機構)の調査を用いて、日本と諸外国との金融リテラシーを比較しています。
米国の調査と共通する正誤問題で比較をすると、米国が53%、日本が47%と、米国に軍配があがりました。また「金融知識に自信がある人」の割合は、米国は76%、日本は64%と、米国が大きく上回っています。
またOECDの調査との比較では、共通する正誤問題の正答率で日本は60%に対して、フランスは72%、ドイツは67%、イギリスは63%と、やはり日本を上回っています。
ほかの先進諸国と比較して、日本は金融リテラシーが低いといっても過言ではありません。そもそも日本人は気質的に投資に向いてないという主張もあります。同調査では、行動経済学的な観点からも分析を行っていて、「期待収益率+5%の投資」に対して、「投資しない」と77%が回答。損失回避傾向が非常に強いことが明らかになりました。また損失回避傾向が強い人ほど、株や投資信託、外貨預金などへの投資を控える傾向にあります。
有価証券保有額…注目は第1位「東京」に次ぐ県
少子高齢化による公的年金への不安から、貯蓄から投資へと叫ばれていますが、そこで問題になっているのが、日本人の金融リテラシーの低さです。しかし諸外国と比較して金融リテラシーが低いのは、日本人は損失回避傾向が強い、それゆえに実際に投資を行っている人が少ない、それゆえに金融リテラシーも低い……そんな国民性ともいえる気質に由来することがみえてきました。
このような傾向は、地域によって違うはあるのでしょうか。総務省による家計調査(2019年)によると、有価証券の保有額(「株式・株式投資信託」「貸付信託・金銭信託」「債券・公社債投資信託」の合計)は、二人以上の世帯で全国平均234万円。そのうち、世帯主が会社や官公庁等に務めている勤労者世帯(社長や取締役、理事など、会社団体の役員である世帯を除く)の平均150万円となっています。
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