日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、「中小企業の実情」についてみていきます。

「中小企業の再編」で目指す、日本の未来とは?

中小企業の状況は依然として厳しい(※画像はイメージです/PIXTA)
中小企業の状況は依然として厳しい(※画像はイメージです/PIXTA)

 

菅義偉政権が誕生してもうすぐ1ヵ月を迎えますが、発足当時、「中小企業基本法の見直しに向けた検討に着手する」と大きく報道されました。中小企業基本法は1963年、大企業と比べて資金力などで劣る中小企業の発展・支援を目的に、国の中小企業に関する政策について、基本理念や方針、定義などを定めた法律です。

 

中小企業基本法第2条第1項で、業種別に中小企業を具体的に定義しています。たとえば製造業では「資本金が3億円以下であること」「常時雇用する従業員が300人以下であること」のいずれかの条件を満たす企業を指す(ただし、ゴム製品製造業については資本金が3億円以下、または常時雇用する従業員が900人以下)としています。さらに常時雇用する従業員が20人以下の場合は「小規模企業者」に区分しています(図表1)

 

出所:中小企業庁「中小企業白書2020」
[図表1]中小企業基本法上の中小企業の定義 出所:中小企業庁「中小企業白書2020」

 

日本において大企業はたった0.3%。残る99.7%は中小企業が占めます。従業員数では約70%が中小企業で、付加価値となると全体の53%となります。これが何を示しているかといえば、日本では中小企業が大半を占めるにも関わらず、生産性が低いということ。他の先進諸国と比べても際立って低く、その生産性の低さが低賃金の常態化を招いていると指摘されています。

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

次ページ緊急事態宣言で大打撃の反動で、景況感は上向きに

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録