「角地がいい」という概念は捨てていい
■「光」と「風」、「自然」のプランをつく
「住まう」というのは、「光」と「風」、「自然」のプランをつくること。光と風をどのように入れるかは、注文住宅やマンションであっても考えは同じだ。
「住まう」ことを考えると、河川や公園は採光窓が取れて風が通る。でも、川は臭いし、公園は子供がうるさいと、値下げを要求する人がいるのも事実だ。
ただ、私たち供給側の立場からすると、河川や公園が近くにある土地は投資マンションが建てやすく、採光窓が取れる最高の土地といえる。
公園には虫がいるし、川は臭いなどデメリットもある。なかなか買い手がつかない土地であることも確かだが、投資マンションであれば、風通しと採光、眺望も良い、そういう土地を狙うのもいい。常識を「逆手」に取ってみることだ。
■角地は意外と
道路が南に面している土地は、建物の影が北側の住居に落ちる可能性があるので、建てても3階が限度。北向きの土地は影が道路に落ちるため、高さは確保できる、容積率を目いっぱい使えるということは前回説明した。
読みようによっては、単に南向きを毛嫌いしているように映っているかもしれないが、南向きの土地にも十分利点はある。
ただ、南より北の方が投資マンションでは有利なことがある。住宅物件でも、北も南も間取りや採光窓は取れる。北向きはコストが安く済むので、私にはプランがつくりやすくて好きな土地ということだ。
また、ファミリー層は別の視点で考える必要があるが、部屋を借りる側の立場に立てば、学生や働いている人は1日中家にいることはないので、休日となる土日は暗いところで休みたいという人も多い。採光に関しては北向きだろうと南向きだろうとどちらも問題はなく、光はプラン次第で取ることができる。
物件として一見よさそうに思える角地は、両側から斜線制限が掛かるので、プランを立てる際に削らなければいけない部分が出てくるなど、意外と設計しにくい。付け加えると角地は高い。南東の角はさらに高い。「角地がいい」という概念は捨て冷静に分析しよう。