「しくじった」資産20億円大家の失敗。1DKのマンションが…

株式会社町田工務店代表取締役社長・町田泰次氏は不動産投資で20億円もの資産を築き上げた。なんだか胡散臭いイメージが付きまといがちな不動産投資だが、成功者と敗者を隔てたものは何か? 書籍『年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀』(幻冬舎MC)にて同氏が語っている。

大家さん業に不動産情報ポータルサイトは不可欠

本連載では、これから大家さん業をはじめたいと思っている人向けに、私が大家さん業をはじめたころを振り返りながら、大家さんとは何か、また大家さん業をうまくやるための心構えなどを述べてきた。基本的に昔も今も大家さんが気を配るべき点や注意するべき点はかわっていない。だが、ひとつだけ大きく変わった点がある。それはインターネットの普及で、賃貸住宅をとりまく情報環境が大きくかわったことだ。

 

昔は賃貸住宅の入居者募集は、駅前の不動産屋(あえてそう呼ばせてもらう)の仕事だった。部屋を借りたい人は、住みたい場所を決めたら最寄りの駅前にある不動産屋へいき、条件を告げて物件を紹介してもらっていた。

 

それが大きく変わるきっかけとなったのは首都圏や関西圏で直接ユーザーに不動産情報を届ける不動産情報誌が創刊されたことだった。これによって入居希望者は、いろいろな場所で好みの賃貸住宅を手軽にさがせるようになった。

 

これがインターネット時代の到来でさらに進化して、現在のスーモやホームズなどの大手不動産情報ポータルサイトになったわけだ。

 

いまや大家さん業をやるには、こうしたポータルサイトは入居者の募集だけでなく、いろいろな面で不可欠の存在になっている。

 

■入居希望者の動向が詳しく分かる不動産情報ポータルサイト

 

こうしたポータルサイトは、いまや入居者募集のツールとしてだけでなく、大家さんが自分の賃貸住宅を経営する際に必要な、さまざまなデータを与えてくれる。大家さん業をやっていくうえで欠かせない便利なツールになっているのだ。私も重宝している。

 

カメのようにゆっくりと歩きながらも、ウサギのように耳を大きくして情報はちゃんとキャッチするのが、賢い大家さんである。

 

たとえば大家さんにとって気になる空室率なども、全国平均や各自治体毎の平均はもちろん、もっとこまかく調べることもできる。ポータルサイトによっては入居希望者があるエリアの不動産情報をどれだけ見たか10段階で表示している。さらに大家さんが不動産会社を通して頼めば、自分の物件に関連するもっと詳しい情報を提供してくれる場合もある。

 

こうした情報を利用すれば、たとえばあなたの物件のある地域の空室率をかなり正確に試算できるので、より正確な家賃設定にいかすことができるわけだ。こうしたデータをあなたのパートナーとなる不動産会社と共同で利用すれば、あなたの賃貸住宅がターゲットとする市場のより正確な分析が可能になる。

資産20億円大家が「失敗した」と思ったことは…

■ポータルサイトを意識した物件づくりが必須

 

いま私が1棟マンションの新築を企画したり、リフォームを計画する際に、もっとも意識しているのは、こうした大手不動産ポータルサイトの検索エンジンにいかにひっかかりやすいものをつくるかということだ。

 

「流儀三」で詳しく述べるように、ポータルサイトで入居希望者が物件をさがす場合、自分の希望する物件条件を検索用チェックボックスに入力する仕組みになっている。あなたの賃貸住宅が、このチェックボックスの項目に該当する機能やサービスを持っていればいるほど、検索エンジンにひっかかる確率が高くなる。つまり入居希望者の目に触れる確率が高くなるのだ。

 

したがっていま目端のきく大家さんはみな、ポータルサイトの検索用チェックボックスを頻繁にチェックして、チェックボックスに新たな項目ができれば、それに即対応する用に設備を更新したりサービスを追加している。ポータルサイトを意識した設備のグレードアップや条件設定は、多くの入居希望者に自分の賃貸住宅を見てもらう上で必須の条件になっているのだ。

 

■退去時アンケートにも大切なヒントが

 

インターネット全盛の時代といっても、それがすべてではない。大家さんにとって、自分の所有する賃貸住宅の入居者からくるクレームや要望を聞く耳をもち、それを経営に活かしていくことは、大家さん業の基本であり、それはいまもまったく変わっていない。

 

たとえば入居者の契約期間が満了して退去が決まったときは、入居者にアンケートをとって、退去の理由や入居中の不満などを具体的に引き出すようにしたい。そもそも退去理由が転勤や結婚など、大家さんにとって防ぎようのない理由かどうかは、つぎの入居者を募集する際にも重要だ。

 

これがはっきりしないと募集戦略もたたない。入居中は、はっきりいってくれない入居者も、退去時には正直に不満を口にしてくれる場合も多いので、このチャンスを逃がすのはもったいない。

 

たとえば私が印象に残っているのは、あるマンションで収納の少なさへの不満が多かったことだ。1DKがとれる大きさの部屋を、好みの家具がおけるように、あえて広めワンルームにしたのだが、それが裏目にでた。

 

「もう少し狭くなってもいいから、収納はほしかった」

「家具はあまり持ちたくないので、細かな収納があるとよかった」

 

こうした声が多く、その後は居室はもちろんリビングやトイレ、洗面所にも簡単な収納をつけるようにした。かなり前の話だが、最近では収納の多さは、単身者用のマンションでは必須のアイテムになっている。

 

■成約に結びつくのは内覧時の好印象

 

ポータルサイトで得られる情報は確かに部屋を選ぶ際に重要だが、インターネットでは伝わらない重要なこともある。それはマンションの外観とか共用部の印象など、実際に希望する部屋を内覧したときの印象だ。

 

ポータルサイトが提供する情報がいくらきめ細かくなっても、その情報だけで契約してしまう人はいない。最終的に成約に結びつくのは、内覧時の印象だ。

 

内覧時の印象をよくするには、まずは外観や共用部の美化維持を徹底することだ。私は不動産会社を通して専門の巡回スタッフに依頼してマンションの外観に痛みや汚れがないか定期的にチェックしてもらっている。

 

また入居者への情報提供や注意喚起のために掲示した印刷物が古くなったり汚れたままになっているのは、第一印象を悪くする。古くなったアパートで、いつはられたかもわからないような印刷物がヒラヒラしているのを見かけることがある。あれは大家さんのやる気のなさを象徴しているようで、ほんとうにいただけない。

 

いただけない。
いただけない。

 

 

町田 泰次

株式会社町田工務店 代表取締役社長

株式会社町田工務店 代表取締役社長

大阪市出身。高校卒業後、父親が創設した町田工務店に入社。昼間は現場で働き、夜は夜間の大学に通い建築を勉強しながら、一級建築士の資格を取得。平成3年町田工務店の社長に就任した際に、パートナーや回りの人たちの大切さを実感。以来、実際に住まわれるお客様の顔が見える仕事を一層大事にし、そんなお客様に喜んでいただけることを日々の仕事の励みや喜び、やりがいとする。
安心安全はあたりまえ。「大切な家族を育む家づくり」「人と地球にやさしい家づくり」「次世代へ引き継ぐ家づくり」。そんな『こだわりの暮らし』を追求する。

著者紹介

連載年収400万円でも大家さんになれる~工務店社長が教える5つの流儀

年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀

年収400万円でも大家さんになれる 工務店社長が教える5つの流儀

町田 泰次

幻冬舎メディアコンサルティング

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