お金は大切で、よりよい人生を生きるための1つのツールといえる。しかし、令和の時代は、なんでもあり。ここでは、プロ奢ラレヤー氏の“奢られ”て食い扶持を稼ぐという「新しい生き方」を紹介する。誰しも真似できる生き方ではなく、賛否両論もあるかもしれない。しかし、彼の生き方を知っていることで、いつか人生に躓いたときに「なんとかなるか」と肩の力を抜いて前を向ける、かもしれない。本連載は、Twitterを介して他人に奢られて生きるプロ奢ラレヤー氏の著書『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略』(祥伝社)から一部を抜粋した原稿です。

「安定」をあきらめてみる

人生であきらめにくいハードル、5つ目は「安定」です。

 

人はよく「安定したい」と言います。その「安定」とは、おそらく会社員として人並みに困らない給料があって、結婚して子どももいれば老後の心配もない、みたいな状態なのでしょう。

 

ただし、この連載の「あきらめ戦略」は、そんな一億総中流的な生き方ができない人向けです。つまり、「あきらめ」は、昭和の日本にあったような「安定」とは両立しないわけです。じゃあどうやって「安定」をあきらめればいいのかといえば、「自己理解」に尽きます。

 

そもそも「安定」という感覚が僕にはよくわからないんですが、辞書だと安定の対義語は不安なんで、「安定したい人」と言う人は不安を抱えているんだと思うんです。そして、人生におけるもっとも大きい不安は何かというと、やっぱりお金でしょう。

 

そもそも多くの人は、「お金をかけることで何かを手に入れられる」という方法論しか知らずに人生を生きてきてしまっているので、お金がなくなることへの不安がものすごく強い。そのうえ、自分自身が人生で最低限何があれば生きていけるのかが曖昧なので、何かあったときの準備等々に無闇(むやみ)にお金がかかるのです。

 

でも僕の場合はその逆で、家なし、お金なし、メシは奢られ……という状態からスタートしているので、これ以上落ちようがないから不安にもなり得ません。谷底の深さを知っているので、自分の人生が最悪どこまでいくのか、というのを具体的に把握できているからです。

 

ちなみに、僕はこんな感じの生き方なので、よく「老後どうするの?」って言われます。だけど僕は究極「別に目があれば本も読めるし、いいかな」ぐらいに思っています。谷底を知っているからお金がなくても最悪なんとかなると思えるし、問題はむしろ暇な時間をどう潰つぶすかだけど、それも図書館で本を借りればそれでいいし、いまは娯楽もいくらでもあるし、もし目が見えなくなったらオーディオブックで聞けばいいか、って思えるので。

 

こんな風に自分にとって最低限必要なものがわかっていて、そのうえで「別にどうとでもなるな」って思えていると、不安にならないんですよね。でも多くの人は「もし目が見えなくなったら……」で思考停止してるから、老後についても不安になるんだと思います。要は「老後2000万円問題」だろうと何だろうと、メディアにいたずらに煽(あお)られているだけで、自分の中でのリスクや不安をきちんと言語化していないから、漠然と不安を抱え続けるわけです。

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プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略

プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略

プロ奢ラレヤー

祥伝社

奢られ続けてフォロワー9万人超。ツイッター・noteで話題沸騰。しんどい生き方、もうやめませんか?絶対に働かない彼は、なぜ生活に困らないのか――。才能、スキル、何もいらない! ただ「あきらめる」だけ。どんな時代でも通…

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