「田舎の富裕層ほど狙われやすい」は本当か?
相続税に限っていえば、田舎ほど調査されやすく、また調査自体も厳しいといわれています。
田舎は地価が安く、相続税額が基礎控除額内におさまらないようなケースが少ないため、1件1件の事案にさける時間が多くなり、結果的に調査も厳しくなりがちなのです。
一方都会の場合には資産家が多く、また地価も高いため、相続税の納税者自体が非常に多いという事情があります。
そもそもの件数が多いため、納税額の少ない相続人は、明らかな誤りがあるとき以外は調査対象にすらならないことが多いようです。なぜなら、納税額の高い人のほうが、結果的に追徴課税額も高くなるからです。相続税は10〜55%の累進課税なので、納税額が多いほど税率が高くなります。
たとえば、仮に1000万円の申告漏れが見つかったとして、10%の税率の人だと100万円しか追徴できませんが、55%の税率の人だと550万円追徴できます。同じ額を指摘しても取れる税額が違うのなら、税額の多い、つまり税率が高い人から重点的に調査したほうが税務署にとって効率的だということです。
つまり、税務署内での納税額ランキングで、上位に位置する納税者ほど調査に入られやすいということです。