いつの時代もなくならない相続トラブル。本記事では、被相続人が生前対策を怠った結果、大切にしていたものが思わぬ方法で処分されてしまったケースを見ていきましょう。『円満相続をかなえる本』(幻冬舎MC)より一部を抜粋、再編集して紹介します。

「資産は遺さない」という優しさもある

私はこれまで、いろいろなケースを見てきましたが、資産はできるだけ遺さないようにするのが、ご家族に迷惑をかけないための配慮につながる、というか、むしろ義務ではないかと考えるようになりました。というのは、やはり多いのが遺産分割を巡るトラブルだからです。そうしたトラブルは、当たり前ですが、資産を遺すから発生するのであり、あるいは、遺すのはいいとしても、生前に事前対策を行っていないから起こるのです。

 

生前に自分の財産を整理するというのは、残りの人生をより良くまっとうするためにも重要なことではないでしょうか。とりわけ、思い入れのある、大切にしてきたお品物については、そうする強い意識を持たれることが必要かと感じます。

 

明日のことはどうなるか正直わかりません。ですので、「私は元気だから、まだまだ大丈夫!」という考え方は改めましょう。生前整理は、元気で判断できるときじゃないとできないんです。

 

これから遺産相続の問題が、さらに増加の一途をたどってくるかと思います。トラブルが増加している背景には、核家族化などで家族関係が希薄になったことや、個人の権利意識が高まったこと、情報化社会のなかで得られる情報が多くなってきたことがあるようです。

 

このような問題をきっかけに、ご家族をはじめ、ご縁のある方々が揉めて関係も途絶えていくことは、とても残念でなりません。しっかりご自身の人生について考え、ご自身にとっても、ご家族にとっても、何が最善なのかを考えてみてください。

 

石川 宗徳/森田 努/島根 猛/佐藤 良久/近藤 俊之/幾島 光子

 

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本記事は、2017年9月22日刊行の書籍『円満相続をかなえる本』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

円満相続をかなえる本

円満相続をかなえる本

石川 宗徳,森田 努,島根 猛,佐藤 良久,近藤 俊之,幾島 光子

幻冬舎メディアコンサルティング

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