なぜ「秋葉原」は他地域と大きく異なる動きなのか?
他の地域も、新宿と同様の動きをみせたり、地域ごとの動きをみせたりしています(図表4~8)。しかし特に秋葉原だけ、ほかのエリアとは大きく異なる推移をみせていることに気づくでしょう。
注目は、「市区町村内」の移動です。まず6~9時をみていきます(図表9)。時期によって増減はあるものの、緊急事態宣言発令以降、前年比マイナスを記録しているのは、4月3週-5%、7月4週-6%、8月1週-9%。この3地点以外は、すべて前年比プラスを記録しています。20~24時をみてみても、8月1週-7%以外は、すべて前年比プラスを記録しています(図表10)。
なぜ、このような違いがみられたのでしょうか。あくまでも推測の域ですが、ほか6地点は広域から人が流入するオフィス街、繁華街的要素が強く、地元の人が日常の用事のためにくる要素は少なめ。
一方は秋葉原は、オフィス街や繁華街的要素のほか、駅近隣に住宅地的要素もあり、日常使いで駅周辺を利用する人が多くいます。テレビの報道で、緊急事態宣言下、東京郊外の商店街が人混みで賑わっている様子を見た記憶はないでしょうか。秋葉原には、それらの街と同様の要素があるため、「市区町村内の移動」が活発だと考えられます。
新型コロナウイルス感染症によって、生活様式は大きく変わりました。ワクチンや治療薬が開発されたとしても、一度変化したものが元に戻るとは限りません。人も移動も大きく変わったことで、今後、都市開発の在り方も、大きく変わっていくでしょう。