日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、9月2日「宝くじの日」にちなんで、宝くじについてみていきます。

宝くじに当選する、効率的な買い方とは?

宝くじを買わない人に話を聞くと、「だって当たる確率が低いでしょ」「あんなの無駄遣い」などという声を聞きます。実際はどうなのでしょうか。

 

結論からいうと、宝くじは統計学的に絶対に損をします。これは間違いありません。

 

平均的に、どれくらいの当選金が当たるのか……。これは期待値で表すことができます。たとえば、合計10,000本の宝くじがあったとします。1等が1万円で10本、2等が1,000円で90本、ハズレくじが900本、そして1本の購入金額が200円だったとします。

 

(10,000円×10+1,000×90+9900×0)÷1,000=190

 

つまり1本買うごとに10円損することになります。すべての宝くじの1本の値段は期待値を上回るよう設計されているので、絶対的に購入者が損するようになっているのです。

 

ではどのように買うのが賢いのでしょうか。上記の例でいうと、1枚買って当たる確率は、100/1000で1/100。2枚目買う場合は100/9999、3枚目を買う場合は100/9998……となっていき、たとえ10枚買ったからといって、当選確率が10倍になるというわけではありません。実際の宝くじの場合では、どんなに買っても誤差の範囲でしかない、ということはイメージできるでしょう。

 

そもそも宝くじは、販売総額の50%未満が賞金に充てられ、残りは地方自治体の収入に充てられます。つまり期待値(掛けたお金が戻ってくる見込みの平均値)は50%以下だというわけです。

 

このように考えていくと、一度に多くの枚数を買うことは賢い買い方ではない、と考えることができます。でも買わないと当たらないのが宝くじ。ですから1回の宝くじで多くの枚数を買うのではなく、できるだけ買う回数を増やしたほうが得策だといえるでしょう。

宝くじで当たったら、税金はかかるのか?

最後に、宝くじにまつわる税金の話をしておきましょう。宝くじの当選金の所得税については、「当せん金付証票法」よって下記のように定められています。

 

当せん金付証票法 第十三条
当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない。

 

つまり、宝くじの所得税は「非課税」です。税金負担を考えると、競馬や競艇、パチンコなどのギャンブルと比較しても、それほど条件は悪くはないといえるかもしれません。

 

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