今何位?日本の「信用力」は下がり続けている
■日本の債務比率はワーストワン
このようなサラリーマンの置かれている厳しい現状、すなわち負担ばかりが重く手取りが増えないという苦しい経済状況は、今後さらに悪化することが確実視されています。なぜなら、日本社会は将来的な経済成長が期待できず、逆に衰退していく可能性が高いためです。
日本のGDP成長率は2030年までに0%程度、つまり全く成長しない状態になると予測されています。また、[図表1]は「国家の債務残高ワーストランキング」を示したものです。日本の債務比率は239.2%と、ワーストワンです。
数年前に財政危機が取り沙汰されたギリシャよりも、はるかに高いことに驚く人もいるのではないでしょうか。日本は対外純資産、つまり外貨資産の保有率が300兆円以上と世界一ですし、個人の現預金は1800兆円程度ありますので、単純にこの数字だけを見て騒ぎ立てる必要はありませんが、財政は明らかに不健全です。また[図表2]に挙げたのは、国債の信用力をランキング形式で示したものです。
国債の信用力は、その国の信用力をある程度反映したものです。1993年の日本の格付けは最上位のAaaでした。それが、現在ではA1にまで下落しており、お隣の韓国よりも低くなっています(2019年3月時点)。世界から見た日本の格付けは、年を追うごとに悪化の一途をたどっているのです。
最近、ベネズエラの財政破綻に関してインフレ率が1000万%というIMF(国際通貨基金)の試算が話題になりました。さすがにそこまでにはなりませんが、日本にも財政破綻によるインフレ円安という状況が起こる可能性は十分にあります。
国がなぜ2%のインフレ目標を唱えているのか? インフレで物価が倍になれば単純に円の実質的価値は下がり、国の借金がそれだけ軽くなるという狙いもあります。つまり、国は意地でもインフレを実現させていくと思います。円だけで預金している人は、それがいかにリスキーであるかを考えた方がよいでしょう。