アパート経営においても「売上」が最優先
何もしなくても空室が埋まる時代は過去のものとなりました。
アパートオーナーさんにとって、今後のアパート経営の最大のポイントは、いかに空室を少なくし、アパートの稼働率を上げられるか、少しでも多くの家賃収入を得られるか、ということです。
企業経営で言うところの、売上をアップさせるという最も基本的なところが重要になってくるということです。同時に費用も削減することがベストではありますが、まずは売上が立たないことには費用の削減どころではありません。
コストを下げる工夫であったり、長期修繕の工夫であったりと、アパート経営においての業務は多岐にわたることはすでに述べた通りですが、何をおいてもまずは売上です。
リーシングマネジメント(入居者募集方法)は、現在も日々改良を行っておりますが、現時点で管理戸数約4200戸、入居率が96%超と一定の成果を上げているものですので、汎用性があると考えています。
プロパティマネジメント型は1%未満という現状
アパートオーナーさんが行うべき業務を、オーナーさんに代わってアパート経営の専門家が代行する仕組みがあります。これを「プロパティマネジメント型(PM型)」の管理と言います。
あくまでもアパート経営のプロがオーナーさんの代理として、オーナーさんが行うべき業務を代行するというものです。ただし現時点では、「PM型」の管理を行っている会社は、管理会社全体の1%にも満たないのが実情です。
「PM型」管理の大きな特徴の一つであり、武蔵コーポレーションが実践している「リーシングマネジメント」とは、例えるならば家電メーカーがその自社商品(製品)をどうやって売っていくかという一連の行動と同じです。オーナーやその代理となる管理会社(PM会社)はメーカーと同じ立場です。
自社の「商品」である空室をどうやって売っていくかという一連の流れをリーシングマネジメントと呼んでいます。
武蔵コーポレーションは、プロパティマネジメント会社(PM会社)ですので、オーナーさんの代理という立場でこの一連の業務を行っていますが、自主管理されているオーナーさんは、このリーシングマネジメントをご自身で実践することで、大きな効果を出すでしょう。
まず初めに、入居者募集をするに当たってPM会社の立ち位置を説明します(下図参照)。これは、繰り返しになりますが、オーナーさんの代理という立ち位置になります。
そしてオーナーさんの代理として、各賃貸仲介会社に対して入居希望者の紹介を依頼します。幅広く複数の店舗に募集依頼をかけます。賃貸仲介会社は二種類あります。一体型の管理会社と仲介専業の会社です。一体型の会社は管理会社を兼ねていますが、PM会社との関係で言えば、PM会社が管理会社(オーナーさんの代理)であり、一体型の会社は仲介会社としての役割となります。
この連載では仲介専業会社だけでなく、一体型管理会社もPM 会社との関係において仲介会社としての役割を担うことから「仲介会社」とします。
PM会社は、厳密に言えば自ら客付け(仲介)を行うのではなく、仲介(客付け)をしてくれる賃貸仲介会社に入居希望者の紹介を依頼します。それもその物件のエリアにあるすべての賃貸仲介会社に依頼をかけます。つまり、仲介会社を管理(マネジメント)することで入居希望者を募るのです。これを「リーシングマネジメント」と言います。
PM会社の役割は、このリーシングマネジメントを効率よく行い、仲介会社からいかに多くの入居希望者の紹介を受け、入居につなげられるかという点になります。PM会社はオーナーさんの代理という立場ですから、賃貸仲介会社からすれば、物件のオーナーさんから直接募集の依頼をされているのと同じ意味合いになります。
つまり、自主管理の物件(一般物件)と同じ位置付けになります。賃貸仲介会社の営業マンは、仲介手数料の問題も大きいのですが、基本的にはオーナーさんの顔が見えていて、物件の内容がよくわかる物件を紹介したがります。そのため、PM会社から紹介される物件は、基本的にはオーナーさんから直接依頼を受けているのと同様の意味を持つので、非常に客付けをしやすくなります。
次回は、リーシング戦略の策定について取り上げます。