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ただ、アルゼンチン経済を見ると課題が山積みなことも明らかです。消費者物価指数(CPI)を見ると前年比42.8%と、比較対象を探すのが困難なほどの高インフレ率です(図表2参照)。新型コロナウイルスの感染も深刻です。アルゼンチンのGDP(国内総生産)成長率との相関が高い経済活動指数は足元急落しており、この水準から推定して、アルゼンチンの4-6月期GDP成長率は前年比2桁のマイナスが想定されます。
アルゼンチン国民のペソへの信用は低く、恒常的なペソ安圧力も続いています。自律的な回復は困難で国際通貨基金(IMF)等の支援は必要です。ただ、アルゼンチンのIMF嫌いは有名で、前政権(マクリ政権)の失速はIMF的な緊縮政策が原因と思われます。ただ、IMFと相性が悪かった現政権に関係改善を模索する動きもあり、警戒しつつも注目しています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『アルゼンチン債務再編合意と今後の課題』を参照)。
(2020年8月5日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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