企業が「真面目に出す」書籍が、売れている!
「企業出版」、一般にはなじみのない言葉かもしれません。企業出版とは、企業のブランディングの一環として目的をもって行う出版です。通常の商業出版とは異なり、出版そのものが目的ではなく、読者ターゲットと企業のゴールを明確にしたうえで、出版後の反響を目的とする点が特徴です。
「営業先の新規開拓」「人材採用」「集客強化」「企業の認知度アップ」「商品・サービスの認知度アップ」「競合他社との差別化」など、さまざまな課題の解決手法の一つとして用いられる出版方法です。
このような言い方をすると「それは、単なる企業の広告じゃないか?」「ステマなんじゃないか?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。弊社(幻冬舎メディアコンサルティング)は、15年間で大手企業を含め約1,300法人、2,000タイトルを超える書籍を制作していますが、その多くは、大型書店の人気ランキングで上位を獲得するほど「売れて」います。
弊社が「本を出しましょう」とお声掛けする企業は、それなりの世に知らしめるべきビジネスモデルを有していることを選択基準にしているからです。今は小さくて無名でも、特筆すべき商品、サービス、ビジネスモデルをもっている企業は数多あります。読者が本当に知りたい「そんな話があるのか!」は、こういったリアルな現場からつくり出されるのです。
「企業出版」で「読者に人気」の書籍をつくれるワケ
弊社の親会社である幻冬舎は1993年に創業し、多くのベストセラー、ミリオンセラーを飛ばしてきました。幻冬舎が培ってきた、つくる、知らしめる、売るという3つの強みを最大限に生かし、幻冬舎メディアコンサルティングを立ち上げ、これまでにはないまったく新しい出版モデルをつくりあげています。
まず、圧倒的な企画・編集力(つくる)。ミリオンセラー、ベストセラーを生み出す幻冬舎独自の出版ノウハウを法人に当てはめることによって、クライアントの「伝えたい」想いを読者の「知りたい」内容に変換する。
絞り込んだ読者ターゲットに告知する広告宣伝力(知らしめる)。幻冬舎が積み上げてきた書店との信頼関係を駆使した流通力(売る)。
こうして企業出版を一つの事業として確固たるものにすべく取り組んできました。
競合他社が「企業出版」のマーケットに参入してきたが
私たちが創出したこの新しいマーケットは着実に拡大し、いま熱気を帯びています。この市場に可能性を見出した出版社の参入が活発化、競争が激化しているからです。
出版各社がこの市場に参入する背景には、出版不況があります。出版市場は近年、右肩下がりを続けています。小説は読まれず、雑誌も発行部数の減少が止まりません。いま出版業界では実用書やビジネス書など読者にとってすぐにメリットになるものしか売れません。何がヒットするかわからないなかで、各社は「数撃てば当たる」式で、業界全体で1ヵ月に7,000タイトルも出版されています。出版業界は本当に水物商売になってしまっていると痛感します。
そうしたなか、本業で落ち込んだ収益を補うために、出版各社は法人向けの出版(カスタム出版など)にシフトしているというわけです。失礼な言い方になりますが、幻冬舎がつくった新市場は金になるぞ、ということで参入してきている。とはいえ、他社はあくまでも本業の片手間に行っている商売、というのが私の印象です。
幻冬舎メディアコンサルティングにおける企業出版の位置づけはまったく違います。そもそも弊社は企業出版を手がけるために設立された会社で、企業出版が本業であり、この市場の開拓に全力を注いでいます。
それが追随する他社との差別化につながり、大きな実績の差として示されています。
「企業のノウハウ」だからこそ、「価値がある」
たとえ広告的な効果が絶大に見込まれるにしても、自社のノウハウを書籍として出版することに対しては、躊躇してしまう企業経営者はいます。また、本は高尚なもの、文化的なものであり、プロの作家や学者、専門家でなければ出せないものという認識も一般的には多いようです。
しかし、その認識は間違っている、というのが私たちの考えです。独自のノウハウをもつ企業が資金を出し、妥協せずに実務に基づいたリアルな情報をプロの編集者集団が纏めるからこそ、読者にとって「面白く」「役に立ち」「有益な」ものができあがるのです。
メディアの人間は「書籍を出している専門家」を探す
テレビや雑誌のキャスティングで専門家を探す際に、Amazonなどで「大手出版社から書籍を出している人」をまず選ぶことは、メディア業界では常識です。
企業出版をした結果、TBS系『林先生の初耳学』や日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』などテレビ番組への出演のほか、雑誌やウェブなど数多くのメディアに取り上げられた著者もいます。
企業出版に類似するものとして、「カスタム出版」と呼ばれるものなどもあります。これらに決まった定義はなく、出版社によって呼称が違うだけです。弊社は「企業出版」と呼んでおり、そして弊社こそがこの企業出版の市場を切り開いたパイオニアであり、リーディングカンパニーであると自負しています。
この連載を通して、多くの人が抱く出版界や書籍に対する旧来的な見方、意識に風穴を開けたいと思っています。
GGO編集部