本記事は株式会社財産ドック著『税理士が教えてくれない不動産オーナーの相続対策』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再構成したものです。最新の法令・税制等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

25年間、騙されていたことに気づかなかったLさん

Lさんにこの土地はどういった経緯で手に入れたかを訊ねると、25年前に友人が知り合いの不動産会社を連れてきて、「今買っておくと後々高く売れる土地があるよ」とお勧めされて購入したそうです。

 

Lさんは仕事も軌道に乗っている時期で貯金もあったことから投資に興味があり「早く買わないとすぐに売れてしまう」と急がされたのと、遠方なので現地を見ることもないまま、勢いで購入してしまったとのことでした。

 

今日に至るまで、Lさんは騙されていたことに気づいていなかったのです。

 

問題点1 原野商法による土地の購入

 

相続対策として財産の調査をしていると、使い道のない土地を所有しているケースというのはよくあることですが、中にはLさんのように原野商法にひっかかって価値のない土地を買わされたということもあります。

 

原野商法とは、悪質な不動産業者などによる悪徳商法です。その手口は、北海道などの山奥にあるほとんど価値が認められない原野を「近く巨大ショッピングモールができたり新幹線が通ったりなど開発される予定があるので、地価の値上がりが見込めますよ」などと偽って高額で売りつけるといったものです。

 

Lさんに購入時の資料を見せてもらうと、近隣の開発予定について書かれた新聞記事や土地の測量図は全くのデタラメで偽造されたものでした。

 

活用できない原野となると、売却もできず誰ももらってくれないので、ずっと所有し続けるしかありません。相続では価値がないに等しいので評価額こそ高くはありませんが、単なるお荷物財産ですから誰も欲しがることはありません。固定資産税だけを支払い続けなければならない完全な不良資産です。

 

別のケースでは、バブルも弾けて人気もなく寂れたリゾート地の土地を持っている人がいて、全く利用していないにもかかわらず、固定資産税以外に年間に土地の管理費として20万円を支払っているということもありました。所有しているだけで損になるわけですから、無料でもいいので隣地の所有者に譲りたいとその土地の管理組合に申し出ているのですが、それでもなかなか話はまとまっていないようです。

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