JR南武線10駅に「トヨタ自動車」が求人広告を出してみたら…

採用活動は、「いい人材」と出会えないことには始まりません。自社に魅力を感じてもらうために必要な観点や、メディア活用におけるコミュニケーションの手法を学んで、欲しい人材を惹きつける企業を目指しましょう。実例の画像を用いながら、採用の原則原理について解説します。

WEBと屋外・交通広告の連動で、距離的制約を越える

屋外・交通広告は、その「場所」によってある程度ターゲティングができるチャネルです。特に交通広告は、新卒採用であれば「ターゲット人材の多い大学の最寄駅」に、キャリア採用であれば「ターゲット人材が多くいる企業の通勤沿線」などに広告を露出することで、候補者へ効果的にリーチできるでしょう。

 

たとえば、2017年に話題になったのが、トヨタ自動車が展開したJR南武線10駅における求人広告です。【この記事の画像を見る】から確認できるこの広告キャンペーンは、南武線沿線の企業・研究所に勤務する「ITエンジニア・研究者」にメッセージを届けるために行われました。

 

南武線沿線に勤務する「ITエンジニア・研究者」向けの広告とは?
南武線沿線に勤務する「ITエンジニア・研究者」向けの広告とは?

 

また、この事例では、オンラインとの連動も効果的なものとなりました。沿線勤務のターゲット人材からの認知を得つつも、インパクトのある広告がSNSでシェアされたことで多くの人の目に触れることとなり、南武線沿線勤務ではないターゲット人材へもリーチできました。交通広告は範囲が限定されてしまうと考えられがちですが、このように広告クリエイティブやオンライン上で話題を呼ぶような工夫によって、多くのターゲットに届けることが可能です。

 

なお、このようなキャンペーンは「ブランド力があるトヨタだからできた」という点は否めませんが、そこで思考停止せずに「自社であればどのような工夫ができるか」と考えることこそが、採用担当者の腕の見せどころとなるでしょう。

「紙DM」は、WEB-DMよりも効果的なツール

WEB-DMを送れる求人サイト・アプリは多いですが、その届く量の多さにうんざりしているという声はよく聞かれます。

 

特に新卒採用では、大手ナビサイトのオープン日には100通を超えるDMを受け取る学生もいるため、その多くは開封されないまま終わります。中途採用サイトにおけるWEB-DMも同様で、よほどの人気企業でなければ開封率1%未満ということも珍しくありません。

 

一方、1990年代までの主流メディアであった紙のDMは、WEB-DMが増えたことと反比例するかのように数が減りました。ここに着目して、紙DMを送付して認知を得るという戦術もあります。

LINE株式会社 People Partner室 People Experience Designer

リクルートおよびリクルートメディアコミュニケーションズに通算10年在籍し、「リクナビ」の学生向けプロモーション、求人広告の制作ディレクター、自社採用担当を務める。その後、アマゾンジャパン、プライスウォーターハウスクーパースなどで人事マネージャー(おもに中途採用領域)を経て、2015年より日本最大のHRネットワーク『日本の人事部』にて、人事・人材業界向け講座の企画・運営、HR Techメディアなどのサービス立ち上げに携わる。2017年にLINE株式会社入社、Employee Success室 副室長などを経て2019年10月より現職。 1999年、筑波大学 第一学群 人文学類 卒業。2014年、早稲田大学大学院商学研究科(MBA)修了。組織学会、人材育成学会、日本マーケティング学会会員。

著者紹介

連載「欲しい人材」を惹きつける…採用に強い会社は何をしているか

採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

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青田 努

ダイヤモンド社

採用のプロが明かす、欲しい人材を惹きつけ・見立て・辞退させない具体策。「候補者が思わず振り向く求人コピーのつくり方」「リファラル(社員紹介採用)を成功に導く7つの取り組み」「効果的な面接の進め方」「内定辞退を引…

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