採用活動は、「いい人材」と出会えないことには始まりません。自社に魅力を感じてもらうために必要な観点や、メディア活用におけるコミュニケーションの手法を学んで、欲しい人材を惹きつける企業を目指しましょう。実例の画像を用いながら、採用の原則原理について解説します。

 

なぜなら、今や一周回ってWEB上のメールボックスよりも、自宅の郵便ポストのほうが届きやすい状況となっているからです。

 

紙DM発送の際に必要となるターゲット層の住所データの入手は困難ですが、発送代行をしている求人サイトもありますので、WEB-DMで効果があがらない場合は一度相談してみてはいかがでしょうか。中には、大学生協に依頼して、ターゲット大学・学部ごとに紙DMの発送代行を依頼している企業もあります。

 

なお、紙DMでは「ポストからゴミ箱までの短い時間」が勝負となります。そのため、封書よりもハガキ(開封しなくても目に触れる)、端的で興味深いメッセージ、QRコードによるエントリー画面への誘導など、クリエイティブ面での工夫は必須です。くれぐれも「ゴミ」を送らないように気をつけましょう。

業界誌・業界向けメディアは、潜在層を顕在化させる

キャリア採用では、必ずしもターゲット人材が転職活動中とは限りません。「何かきっかけがあれば動く」という潜在層も多く存在します。

 

一方で、求人サイトなどのユーザーは転職にアクティブな顕在層であるため、潜在層にメッセージを届けることは困難です。(とはいえ、潜在層にリーチするためにマス広告を利用するのは、予算の点で現実的でないことがほとんどでしょう)。

 

そのような際には、業界誌・業界向けメディアを活用し、業種や職種をセグメントしつつ、潜在層にまでリーチするという方法があります。

 

ここでは、アマゾンジャパンの事例を紹介しましょう。アマゾンというとインターネットのイメージが先行するかと思いますが、同社は物流・ロジスティクスにおいても世界屈指の競争力を誇っています。その物流・ロジスティクスの戦略拠点であるフルフィルメントセンター内では、製造現場ではおなじみの「KAIZEN」「安全」「5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾(しつけ))」「QC活動」などへの取り組みが盛んであり、実は製造現場で培ってきた人の知見が活かされます。

 

ところが、製造業出身の方は製造業をネクストキャリアとして考えることが多いため、彼らの転職先候補としてアマゾンを認知してもらうことは、なかなか難しい状況にありました。

 

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採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則

青田 努

ダイヤモンド社

採用のプロが明かす、欲しい人材を惹きつけ・見立て・辞退させない具体策。「候補者が思わず振り向く求人コピーのつくり方」「リファラル(社員紹介採用)を成功に導く7つの取り組み」「効果的な面接の進め方」「内定辞退を引…

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