前回までは、相続対策、承継対策を実行した開業医の事例を紹介しました。今回は、円満な相続を実現するために、開業医は何をするべきかを見ていきます。

被相続人の財産を洗い出し、いち早く対策を講じる

前回までに、開業医6人のケースを紹介しました。これらの例からいえることは、円満な相続を叶えている開業医は、いち早く行動し次の8つのミッションをクリアしているということです。

 

①財産の棚卸しと相続税の試算

 

被相続人の個人としての財産および事業としての財産をすべて洗い出し、どこにどんな財産があるのかを相続人にも分かるように整理しておく。そして、現時点での相続税額を試算し、税額の目安を把握する

 

②キャッシュリッチを避ける

 

節税効果の低いキャッシュから、節税効果の高い不動産に換えるなど、相続を見越して資産の内容を変えていく

 

③医療法人の持分評価を下げる

 

医療法人の持分評価がいくらになるかを求める。そして、評価を下げる工夫をする

 

④計画的な贈与

 

財産をなるべく有利な税率で、相続人に生前贈与しておく

 

⑤納税資金の確保

 

相続人の全員が無理なく納税できるように対策をとっておく

相続人たちとの事前の「話し合い」はやはり大事

⑥相続人全員が納得する遺産分割

 

相続人たちに不満や不公平感が残らないよう、事前に話し合いを持つ。どうしてそのような遺産分割になったのか相続人たちが理解できれば、〝争続〟になりにくい

 

⑦遺留分への配慮

 

相続人によって相続する財産に差がある場合も、せめて遺留分だけは侵害しないように気をつける

 

これら7つにもう1つ「遺言書」を加えて、8つのミッションとします。

 

⑧遺言書

 

故人の最後の意思を伝えるものとして、遺言書をしたためておく

 

この8つをクリアするとき、開業医の相続は〝税金面で無駄のない〟〝遺族間で争い事の少ない〟〝スマートで完璧な〟ものになります。

本連載は、2014年11月29日刊行の書籍『開業医の相続対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

開業医の相続対策

開業医の相続対策

藤城 健作

幻冬舎メディアコンサルティング

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