ただ日経225先物のSQは日経平均の戻り高値となる傾向もありSQ後の株価動向が注目される
先物の中心的な取引主体である海外投資家は、新年度入り後の日本株のさらなる下落を見越し、4月第1週以降、先物を売り越す動きが顕著でした。しかしながら、日銀によるETFの買い入れなどで、日本株が底堅く推移すると、買い戻しを余儀なくされ、5月第3週、第4週と買い越しに転じました。先物の買い戻しも、裁定業者の裁定買い取引を通じ、現物の株価押し上げ要因となります。
海外投資家による先物の買い戻しが続けば、今週の日本株は、比較的上昇しやすい環境にあるとも考えられます。しかしながら、SQ前の価格変動は、基本的にはポジション調整に伴う一時的なものです。また、日経225先物のSQは、日経平均株価の「戻り高値」や「押し安値」となる傾向があります(図表2)。今回は、株価が上昇基調にあるため、6月12日のSQが戻り高値となるか否か、SQ後の株価動向が注目されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日本株は週末のメジャーSQに注目』を参照)。
(2020年6月8日)
市川 雅浩
三井住友DSアセットマネジメント シニアストラテジスト