M&Aを成功させるには医療経営に精通した専門のアドバイザーの指南が不可欠です。では、どのようなアドバイザーに依頼するべきなのでしょうか。必要とされる5つの要素のうち、まずは2つを見ていきます。

様々な専門家が存在するクリニックM&A

M&Aを成功に導くポイントは、「クリニックM&A専門のアドバイザーを味方につける」ことです。クリニックM&Aには、次のような様々な専門家がいます。


● M&A支援会社(コンサルタント)

売り手・買い手の情報を揃え、様々な場面で支援を行います

● 税理士事務所、会計事務所

納税や資金繰り、顧問先とのマッチングなど幅広くサポートをします。また、M&A後のサポートも充実しています

● 弁護士事務所

契約関係など法務面でのアドバイスを行います

● 金融機関

M&Aで発生する、資金需要に対して融資を行います

● 行政書士

クリニック譲渡に関わる手続き書類など、公的機関への届出をサポートします

● 医療関係業者

医療機器や医薬品など、開業のために必要な物品の調達支援を行います

● 保険アドバイザー

借り入れや、ライフプランに合わせた保険契約の見直しをサポートします

アドバイザーに必要な「経験値」と「誠実さ」とは?

クリニックM&Aは「医療機関」という特殊性の高い領域を扱うため、非常に高い専門性が求められます。また、サポートする内容も広範囲かつナイーブであることが多く、一般企業のM&Aよりも多数の専門家が必要になります。たったひとつのミスや不備でM&Aが失敗してしまうこともあるからです。M&Aで失敗しないためには、的確に物事を進めてくれる味方を慎重に見極めなくてはなりません。


では、クリニックM&Aを依頼するのにふさわしいアドバイザーの条件とは何なのか、最低限必要となる5つの条件のうち今回は2つをリストアップします。


条件1:M&Aを専門的に行っている
M&Aは単なる後継者探しではありません。クリニックの未来を決める経営戦略のひとつです。だからこそ、積極的な提案がされなければなりません。そのためには、M&Aを数多く手がけた経験と豊富なノウハウが必要です。クリニックM&Aのポイントを押さえつつ、クリニックにとって、院長にとって、一番いいM&Aとは何かを考えて、ベストな提案ができるアドバイザーが理想です。


条件2:信頼関係を築ける
M&Aではクリニックや院長に関する情報を細部までアドバイザーに預けることになります。秘密保持が徹底していることは絶対条件です。それに加えて、院長の家族など背景部分にまで配慮して、真摯に相談に乗ってくれる相手を探します。また、M&A専門をうたった業者でも、専門性の名のもとに不透明な報酬を要求してくるところも一部あります。報酬面でも誠実であるかどうかを見てください。相場が分からない場合は、セカンドオピニオンも考えます。

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    本連載は、2015年9月25日刊行の書籍『開業医のためのクリニックM&A 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    開業医のためのクリニックM&A

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    岡本 雄三

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