娘絶句「認知症じゃなかったの…」ゴミ屋敷に住む65歳の真相

引きこもり、うつ病、孤独死…。浜松医科大学名誉教授・高田明和氏は書籍『定年を病にしない』(ウェッジ)にて、定年を境に引き起こされる深刻な問題を指摘している。悲惨な老後を迎えないためにも、41人に及ぶ実例を見ていこう。今回は「認知症だと思われていた65歳男性」について。

妻の急逝で「うつ」…予想外の診断結果に周囲は驚愕

【事例1】

町の不動産会社に勤める久米男(65歳)は、胃がんで手術をしたのを機に退職することにした。定年がある会社ではなかったが、近所に親しい友だちが数名おり、夫婦仲もよかったので、定年後の時間を存分に楽しみたいと思うようになった。ところが定年後すぐに、妻が急逝する事態に見舞われた。

 

それからの久米男は友だちの誘いにほとんど応じなくなり、1日の大半を部屋で過ごすようになった。部屋は荒れ、食事は近所のスーパーで買ったカップ麺やパンばかりだった。いつも精気がなく同じ服ばかり着ていたので、認知症を疑った友だちが離れて暮らすひとり娘に連絡をし、病院に連れていった。久米男はうつと診断された。気さくで人付き合いがよかった久米男がうつになるとは、だれも思ってもみなかった。

 

部屋は荒れ放題だった
部屋は荒れ放題だった



◆認知症と間違われやすい深刻な病気「老人性うつ」

 

定年後、外出したいと思わない、食べたいものがとくにない、掃除や洗濯をする気が起こらない、趣味に興味を示さなくなった――このような人は、決してめずらしくはありません。これは老人性うつの症状で、社交的な人でも、老人性うつになる人は結構います。

 

昨年までバリバリ働いていた社長さんが引退後、気分がすぐれないので病院で診てもらったところ老人性うつと診断され、家族だけでなく本人も驚いたというケースもあるくらいです。

 

久米男さんのうつは、奥さんの急逝が引き金になったのは明らかでしょうが、定年後はやることがなかったり、仕事の責任から解放されたりすることで喪失感からうつになる人もいます。周りも、年だし仕方がないのかなと思って、なかなかうつだと気づかれない人も少なくありません。

浜松医科大学 名誉教授

1935年静岡県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。医学博士。米国ロズエル・パーク記念研究所、ニューヨーク州立大学助教授、浜松医科大学教授を歴任後、現在同大学名誉教授。

専門は血液学、生理学、大脳生理学。日本生理学会、日本血液学会、日本臨床血液学会評議員。

脳科学、心の病、栄養学、禅などに関するベストセラーを含む著書多数。最近はマスコミ・講演で心と体の健康に関する幅広い啓蒙活動を行っている。

自身もうつやHSP(超敏感気質)に長年苦しみ、HSPを扱い紹介した『敏感すぎて困っている自分の対処法』(監修、きこ書房)は日本での火付け役となり、話題を呼んだ。

最近の著書に『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』『HSPとうつ 自己肯定感を取り戻す方法』『HSPと発達障害 空気が読めない人 空気を読みすぎる人』(いずれも廣済堂出版)がある。

著者紹介

連載孤独、引きこもり、うつ…定年後、男性を襲う様々な「危機」から人生を守るヒント

定年を病にしない

定年を病にしない

高田 明和

ウェッジ

すべては50代でのマインドセット次第! 定年後の男性を待ち受ける悩みは様々です。「意欲がわかない」「出不精になる」「自分を責める」「暴言を吐く」「焦燥感にかられる」「居場所がなく孤独を感じる」「人付き合いがうま…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧