日本の不動産では個人名義、共有名義、法人名義の3種類が一般的ですが、ハワイで不動産を所有する際の名義は5種類あります。それぞれどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

相続まで考慮して決めたい不動産の「名義」

不動産購入の際、所有名義を決める必要があります。ハワイ州の不動産所有名義には下記5種類がありますので、それぞれの名義についてご紹介します。

 

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①個人名義(Tenancy In Severalty)

日本の個人名義と同様、一名で所有する方法になります。既婚者の場合は配偶者の名前がDeed(権利証)に明記される場合がありますが、これは同姓同名の方との識別するために明記されます。また、名義人が亡くなられた場合にはアメリカで遺言検認裁判が行われ相続人が相続します。検認裁判の期間は相続人の人数によりますが、1年から2年程かかることもあり、検認裁判中のコストも必要となります。

 

②夫婦名義(Tenancy By The Entirety)

「夫婦」という一つの名義で所有する方法になります。権利割合は均等(夫50%、妻50%)であり、配偶者の同意がないと譲渡できません。夫婦名義のメリットは配偶者一人に対して負債があっても債権者は夫婦名義の物件に対して権利を行使できません。そして配偶者が亡くなった場合には検認裁判無しで自動的に生存者に権利が移行されます。

 

③共有名義(Joint TenancyとTenancy In Common)

共有名義には2種類あります。まずJoint Tenancyは権利割合が常に均等の持ち方で、4人で1/4持っていて1人が亡くなった場合には残りの3人で自動的に1/3の所有となり、検認裁判無しで権利が移行されます。次にTenancy In Commonは権利割合が常に均等である必要がなく、A氏が50%、B氏が30%、C氏が20%などと、事前に割合を指定できます。また、名義人が亡くなった場合には検認裁判が行われ、その方の相続人が相続します。

 

④信託名義(Trust)

信託名義には幾つかありますが、一般的な生存信託(Living Trust)について説明します。生存信託の設立時に設定者が受益者を決めることで、設定者が亡くなった際に検認裁判無しで受益者が信託の資産を受け取ることできます。設定者が生きている間は個人名義としてみなされますので、亡くなってから初めて信託の効力が発生します。生存信託は個人名義で所有しつつ検認裁判を避けたい方には最適な所有方法となります。

 

⑤法人名義(Corporation)

ハワイ不動産の場合、日本法人名義でもアメリカ法人名義でも不動産を所有することができます。個人名義よりも購入時に提出する書類が少し増え、弁護士や会計士に英文で作成してもらう「Certificate of Good Standing」という会社が存続している証明書と、「Corporate Resolution」という会社の取締役会にて不動産を所有することが決議され、契約書に署名する権限は誰が持つかを明記した書類が不動産売買時には必ず必要となります。また、日本法人名義の場合は日本における株式の相続のみで完結するため、個人名義で問題になる検認裁判は発生しません。

 

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今回はハワイ不動産購入時の5つの所有名義について見てきましたが、購入時には日本とアメリカの税法に詳しい税理士または会計士に相談することをお勧めします。

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