最寄り駅がバスで50分!そこに未来はあるのか?

樽井@南海バスにMP38(・∀・)!(@osaka_sirokichi)のツイート

 

北大阪ネオポリス ・最寄り駅がバスで50分!
(しかも公共アクセスはこれだけ!)
・とにかく不便! ・故に「絶望ヶ丘」と揶揄されている
#クソ物件オブザイヤー

 

ある意味ネオポリス(新しい都市)だけど……
ある意味ネオポリス(新しい都市)…なのか!?

 

【どんなストーリー?】

周辺で唯一の公共機関、阪急バスの最寄りのバス停からバスに乗って千里中央駅までざっと50分、そこから急行乗って大阪・梅田駅まで30分。
 

お猿さんがいっぱい住んでる箕面公園よりもっと山奥、大阪府豊能郡豊能町のニュータウン、「北大阪ネオポリス」は過疎化、少子高齢化によって消滅する日本の地方の将来の姿を暗示している。

 

【全宅ツイメンバーの解説】少子化・高齢化の波にあらがうには人の心を捉える立地が重要に!

 

「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」

 

日本国憲法第22条にはこう書いてある。だれも無理やりお前はここに引っ越せとは言われんすばらしい条文や。しかし、わしは将来ひょっとしたら居住選択の自由が公共の福祉に反するとされるかもしれんと思とる。僅かな住民のためにインフラを維持するのが限界に来た将来にな。

 

この「北大阪ネオポリス」のある大阪の豊能町、2030年には、高齢者の割合が人口の
50%を超え、人口は今から半減するいう予測がきっちり立てられとるんや。人をよそから引っ越しさせて自分とこの町の人口を増やすいうんは至難の業や。他の町も自分とこに住んでくださいいうて人口の取り合いしてるんやから。

 

数十年後には消滅することが見えてしまってる豊能町が過疎対策に作った資料にこういうタイトルのページがある…「豊能町が迎えるかもしれない厳しく困難な未来」。

 

誰もが無理だとうすうす感じている戦いに立ち向かわされる役所の担当者の気持ちを考えると暗澹とするわな。彼こそ居住選択の自由の犠牲者かもしれんな。

 

【真相を追跡!】バスに揺られて市内から約1時間の別世界へ

 

かつて、だれもが夢見たであろうマイホーム。その夢は、バブルの崩壊によって庶民の手から遠のくことになるが、その時代に、大阪の郊外を中心に建設されたニュータウンが多数存在する。有名どころを挙げるとすれば、千里や箕面、兵庫の神戸市北区、三田、川西、宝塚、そして奈良の生駒や学園前だ。

 

一方で、電車も高規格道路も通らぬ大阪の山中に、こんな名前のニュータウンがある。その名は「希望ヶ丘」だ。

 

場所は箕面市と能勢町の境域にあり、最寄りの千里中央駅や池田駅までバスで約1時間。仮に大阪市内まで行こうものなら2時間は要することになる。当時は、「将来、北大阪急行や国文都市モノレール(現大阪モノレール彩都線)が開通するから、利便性が上がる」という口八丁で販売されていたが、夢のまた夢。希望ヶ丘という一見ロマンのある名を名乗っておきながら、周囲を閉ざされた陸の孤島「絶望ヶ丘」と揶揄される。

 

一体どのようなニュータウンなのだろう。この目で確かめるべく、大阪市内から電車2本、さらにバスを乗り継ぎ、はるばる現地を訪れてみた。

 

千里中央駅からバスに乗車するとすぐに、あたり一面何もない坂道に出迎えられる。よく言えば“のどか”、悪く言えば“殺風景”と言ったところだろうか。問題のニュータウンは、ここからまだ峠道をかけ上がった奥地。進むにつれ勾配とカーブがきつくなり、ふと視線を車内に向けると乗車客はみな眠りの世界へ誘われていることに気づく。

 

「寝た方がいいですよ、酔いますから」と乗車客。彼女は大学生で、毎日往復4時間、年間数十万円の定期代をかけて市内まで通学している。その先、車のすれ違いが難しいほど狭い山道を進むと希望ヶ丘が現れた。

終点の希望ヶ丘二丁目で下車した先に見たものは…

◆人もいない、お店もない 漂白された生活空間

 

山の中腹に広がるニュータウン。果たして、どういう場所なんだろうか。終点の希望ヶ丘二丁目で下車し、冒険の旅へ。あたり一面を見渡すと、美しい街並のニュータウン。バス通りは市道ながら、並木や植栽はよく手入れされていて、きれいな景観が維持されているし、子供たちが遊べる公園がたくさん存在し、ある意味ものすごく贅沢な土地の使い方がされている。

 

しかし散策を続けていると、あることに気づく。ゴーストタウンかと錯覚するほど、地元民の姿を一切見かけないのだ。スーパーもなければ、コンビニも、病院も見当たらない。唯一見つけた飲食店、理髪店も、定休日のようで開いていなかった。というか営業しているのかすら疑問だが…。

 

さらに歩くと、希望ヶ丘四丁目のバス停でようやく地元民に出会うことができた。話を聞くと「昔はお店もあったけど、ここまで物資を運ぶのが大変だからか、どんどん閉店していって。そのせいか、周辺に空き家も目立ってきた」という。

 

なるほど、ちょっとスーパーに夕食のおかずを買いに行ってくる…となると、バスに1時間揺られて、最寄り駅まで繰り出さないとならないわけか。おちおち買い忘れもできない。

 

住宅街の中だけ見れば何の変哲もないが、周辺施設・交通環境を踏まえれば、絶望ヶ丘と揶揄されてもおかしくない厳しい状況。そんな場所に作られたニュータウンだから、この時代、好き好んで新規で住民になる者はいないのだろう。

 

しかし吉報もある。近年この界隈は、新名神の開通や北大阪急行の延伸に向けて、開発が著しいエリアなのだ。近い将来、北大阪急行が新箕面駅まで延伸し、駅へと向かうバスの本数が改善されれば、〝絶望ヶ丘〟から〝希望ヶ丘〟に生まれ変わるかもしれない。

 

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※ 本記事は、書籍『クソ物件オブザイヤー』(KKベストセラーズ)より一部を抜粋、再編集したものです。

 

 

全宅ツイ

 

クソ物件オブザイヤー

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全宅ツイ

KKベストセラーズ

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